大学研究室紹介

「環境行政・環境政策の立案・企画・展開課題について」(久野 武教授)

関西学院大学総合政策学部 久野ゼミ

研究内容

  • テーマ:
  • 環境行政・環境政策の立案・企画・展開課題について
  • 概要:
  • 行政官出身(環境庁=現・環境省)であり、環境政策の背景、展開過程や課題等について広範に論じています。

    H教授の環境行政時評: http://www.eic.or.jp/library/prof_h/
    『環境の世紀』といわれる今世紀。地球温暖化の問題や生物多様性の保全など、環境に関わるさまざまなキーワードを耳にする機会が多くなってきています。
    その一方で、国内で、また国際的にも、ズバリどういうことが問題にされていて、何が議論されているのか など、情報が氾濫する割に、いや氾濫しすぎているからこそ、わかりにくくなっている現状があるともいえます。
    『H教授の環境行政時評」では、環境庁(当時)の職員から大学教授へと華麗な転身を果たしたH教授が、環境にかかわる内外のタイムリーなできごとを、環境行政マンとして過ごしてきた経験に即して解説します。
  • キーワード:
  • 持続可能な社会
  • 学部体系:
  • 人文社会科学系(人文社会系, 法学・政治学系, 社会学系, 史学・地理学系, 総合文化系), 理工学系(資源・エネルギー系)
  • 研究分野:
  • 地球環境(その他地球環境関連)、ごみ・リサイクル(その他廃棄物・リサイクル関連)、健康・化学物質(その他健康・化学物質関連)、自然環境(その他自然環境関連)、大気環境(その他大気関連)、水・土壌環境(その他水・土壌関連)

    日本の国立公園制度について解説するH教授(H教授の環境行政時評より)

    ゼミ生に暴言を吐き、泣かせてしまい、おろおろするH教授(H教授の環境行政時評より)

    趣味の鉱石を、夜な夜な取り出しては、ひとりでニヤニヤ眺めるのがキョージュの至福のとき(H教授の環境行政時評より)

    研究室概要

  • 大学・研究室名:
  • 関西学院大学総合政策学部 久野ゼミ
  • 研究室の特色・PR:
  • ゼミの基本原則:・研究テーマは自分で見つけること。広い意味の<環境>に関するものであれば、なんでも可。共同研究もOK→自発性、問題発見能力・卒論は文献資料だけでなく、現場調査、関係者インタビュー等、必ず何らかの意味で汗を流すこと。文献批判も忘れずに→現場主義、批判能力ゼミの進め方:1. 基調講義として、環境行政の骨格と問題点の紹介を久野から行う。なお、「環境管理論」「資源循環型社会論」を受講することが望ましい。2. GW以降、毎回3、4人が自分の関心のある分野についてプレゼンテーションを行う(共同発表も可)。他のゼミ生もプレゼンに対し積極的にコメントすること。3. 一通り終われば、秋学期も含め、二巡目、三巡目に入る。テーマは一巡ごとに深めていってもいいし、別のテーマを取り上げてもいいが、秋学期後半には進級論文のテーマを固める。原則として、進級論文のテーマは卒業論文に発展させる。4. 夏休みには複数のボランティア=実習コース(1〜2週間程度)とゼミ合宿(3、4回生合同)を開催する。合宿および最低一つのボランティア=実習コースへの参加が望ましい。5. また、リサーチフェアでの発表も勧める。6. 以上のほか、必要に応じて現場・施設見学も行う。
  • 先生のプロフィール:
  • 氏名:
    久野 武
    出身大学:
    京都大学農学部林業科
    職歴など:
    環境庁(現・環境省、旧厚生省国立公園部)29年在籍。自然保護、自然公園、公害、環境管理等の広範な分野を経験。
    平成8年より関西学院大学総合政策学部教授。
  • 所属学生の人数:
  • 21人~
  • ゼミの恒例行事(旅行・実習・調査など):
  • 1泊2日程度
    年 1回
    2泊~1週間未満
    年 0回
    1週間~1か月以内
    年 0回
    1か月以上
    年 0回
  • 研究室連絡先:
  • 兵庫県三田市学園2-1

    研究室メンバーからのメッセージ

    ・ゼミの授業で今までどんなことをしたか:
     順番にプレゼンして、そのお題についてみんなで叩き!叩き! やるもやらぬも君次第。熱く語りあお〜ぜ!
    ・このゼミに入ってから変わった点
     1)久野先生に対するイメージが変わりました。
      怖そうなセンセ→酒好きなオヤジ
     2)地球と人にやさしくなりました。
     3)携帯メモリーが増えました。
     4)お酒に強くなりました。
    ・授業以外で印象に残ったゼミの活動
     やっぱボランティア実習!! 北は東京から南は沖縄まで、津々浦々!? 自分の興味のあるところでボラってきます。
    ・授業以外の教授との交流
     久野先生は飲み会にいつも参加してくれるとてもノリのいい先生。カラオケの声もダンデ〜。先生、ちゃんと研究してるんかな〜。先生はとっても女の子に優しいです。
    ・ゼミを一言であらわすと
     エコ えこ エコ ゑこ エコ
     それなりにみんな仲良し!
    ・最後にご自由に
     カッコ・カワイイ先輩&Hキョージュが待ってるよ。先輩・後輩カンケ〜なく飲み会して、カラオケして、仲良くしよ〜。

    先生からのメッセージ

    われわれは生きていくために、多くのモノを日々生産し消費しています。しかし、すべてのものは、最後はごみになってしまいます。それが自然の循環サイクルに乗っている限りは、問題が生じませんでした。しかし、ヒトの社会は自然の循環サイクルで処理しうる量をはるかに越えるごみを日々作り出しています。自然の循環サイクルに乗りえない多くのモノによって、われわれの文明は支えられているのです。
    戦後の高度経済成長は脱第一次産業化=都市化によってもたらされました。そして大量生産・大量消費社会の鬼っ子である大量廃棄により、ごみの処分場の逼迫は緊喫の課題になっています。それをさらに加速させたのがダイオキシン騒動でした。そして今日、循環型社会の構築ということを誰もが唱え、リサイクル法制が次々と生まれています。しかし、大量廃棄に代わる大量リサイクル社会が問題解決にならないことだけは確かです。
    ごみ問題は、単に処理技術の進歩や廃棄物政策・法制によっては解決しません。それは生産・流通・消費のあり方、つまるところ社会総体、人間生活総体の問題であり、価値観や文明観にも関わってくる問題です。それゆえに、さまざまな学際的アプローチとその総合化が求められています。ごみから、社会を、人間を、歴史を、もう一度見つめ直さねばなりません。


    (推薦図書等>
    ごみ問題の現状を知るには、統計資料もさることながら、優れたドキュメントにまさるものはありません。そうした意味では、佐野真一『日本のごみ─豊かさのなかでモノたちは』(ちくま文庫、1997年)を推奨します。また、循環型社会の形成を考える上で、日本の江戸時代を振り返るのも有用でしょう。これをテーマにした石川英輔氏の大江戸シリーズの小説やノンフィクション(講談社文庫)のどれかを続むこともあわせてお勧めします。

    (2009年1月現在)