「化学物質と生物の関わり」(宮原裕一准教授)

信州大学 山岳科学総合研究所 山地水域環境保全学部門 宮原研究室

研究内容

定期観測(2007)。私たちは隔週で諏訪湖の水質調査を行っています。地元の新聞で紹介されました。

産・官・学共催のイベント「ふれあいまつり2008」に参加し、水質に関する展示を行いました。

積雪調査(2008)。積雪中の有害化学物質を調査するため、八ヶ岳に行きました。

テーマ:
化学物質と生物の関わり
概要:
私たちの研究室では、「化学物質と生物の間の作用と反作用の解明」、および「生物間の情報物質の構造決定」を目指し、化学物質の分析を主に行っています。これらの研究から人間活動が生態系に及ぼす影響を明確にし、その影響の将来予測と、現実的な対策法を提案するのが私達の究極的な目標です。そのため、私達は諏訪湖およびその周辺地域でフィールドワークを中心に研究活動を行っております。

現在進行中の研究テーマには、
(1)多環芳香族炭化水素類(PAHs)の分布と挙動に関する研究
(2)動物プランクトンの形態変化を誘導するカイロモンの構造決定に関する研究
(3)河川・湖水中の毒性物質の発生・流入源に関する研究
(4)諏訪湖における栄養塩の季節変動・収支に関する研究
(5)大気中有害化学物質の簡易モニタリングに関する研究
があります。
キーワード:
山, 湖沼, 多環芳香族炭化水素類(PAHs), 生物試験, 水質, 環境動態
学部体系:
理工学系(理学系), 医療・保健衛生系(医療・保健衛生系)
研究分野:
健康・化学物質(分析・モニタリング・評価関連, その他健康・化学物質関連)、自然環境(生態系の監視・保全関連)

研究室概要

高山湖沼での試料採取。環境省・林野庁の許可のものと、国立公園内で試料採取を行いました。

河川上流域での調査。研究と実習を兼ね、河川水質の流程変化を調査しました。

大学・研究室名
信州大学 山岳科学総合研究所 山地水域環境保全学部門 宮原研究室
【研究室の特色・PR】
フィールド調査を中心に、生物活動に影響を及ぼす人為的な化学物質について研究を行っています。水質だけでなく、大気・土壌といった媒体を対象とし、幅広く、大きな視点から研究を行っています。
卒業生には、分析会社や研究員(ポスドク)など、研究室で学んだことを活かす職に就いた人もいます。

なお、信州大学山地水環境教育研究センターは、学内共同利用センターとして2001年4月に誕生しました。36年間の歴史を持ってきた理学部附属諏訪臨湖実験所が、改組・拡充されて生まれ変わったものです。施設は諏訪湖畔にある臨湖実験所をそのまま受け継ぎました。また、大町市の北に位置する木崎湖畔に、研究施設の木崎湖観測ステーションを持っています。
21世紀は水の世紀といわれており、これまで以上に淡水資源の重要性が増すと考えられています。その貴重な淡水資源を有している河川や湖沼は、現在、富栄養化や有害化学物質汚染など、様々な環境問題を抱えています。これらの問題を解決し、良質な淡水資源を守ることが今後ますます重要な課題となります。山地水環境教育研究センターはこの課題に立ち向かうため、河川・湖沼だけでなく、それに強い影響を及ぼしている集水域までを視野に入れ、また学内各学部の協力を得て、総合的な研究を進めます。さらに、水環境問題についての対策の提言や市民の環境教育を積極的に行い、地域への貢献にも力を注ぎます。
【先生のプロフィール】
氏名:
宮原裕一
出身大学:
東京理科大学 理学部 化学科
出身大学院:
東京理科大学大学院 薬学研究科
卒業研究のテーマと概要:
学部:マツ枯れとカビ
大学院:ウロビリンを用いた水質のし尿汚染評価
職歴など:
科学技術特別研究員
国立環境研究所研究員 を経て、現職。
現在、信州大学山岳科学総合研究所准教授
【所属学生の人数】
5人程度
【ゼミの恒例行事(旅行・実習・調査など)】
主な行先: 隔週で、諏訪湖および流入河川の調査(日帰り)…年20回程度
【研究室連絡先】
長野県諏訪市湖岸通り5-2-4

研究室メンバーからのメッセージ

■研究室や先生について
・大変研究熱心で、話しやすい先生です。野外調査がすごく好きで、室内にこもっているときよりも確実にいきいきしています。
・研究室は、とてもアットホームな雰囲気です。とても話しやすい先輩、後輩といっしょに、プライベートな話から、研究についてなど、話題が尽きることはありません。特に研究に関しては、部屋の中央にある机に自然と集まって話していることも度々あります。また、室内だけでなく、野外調査に行くときは、先生が一番目を輝かせて楽しそうにしています。
・人数が少なく、松本から少し離れているため、自然と研究室内は仲良く、楽しく、毎日を過ごせます。先輩との距離も近いので、わからないことはなんでも聞くことができます。また、自分の研究以外に定期観測を行うことにより、簡単な作業が身に付くと思います。

■高校生たちへ
・本当に、ある科目を得意になりたかったら、次のことを試してみてください。
(1)高校入試以外の範囲も勉強する。
 →英字新聞を読んで、科学英単に触れる等。大学でも役立ちます。
(2)「1週間でマスター」や「やさしい科学」などの本では6、7割しか点数がとれないので、きちんと書いてある「教科書」の見直しを行う。
(3)数学はすぐに解答を見るのではなく、30分考えてからみる←時間に余裕のある人のみ。
とにかく向き合い、考えることが大切です。
・大学は、勉強しようと思えばいくらでも勉強できる場所です。大学に入学するのが目的ではなく、その先にあるもの、こういうことを学びたいから大学に入る、そのために受験勉強をしているというように、目的を持って日々勉強してください。学生は、勉強がお仕事だから、まずは学ぶことを優先すべきだと思います。
・大学入学後、研究室に入るには、強い意志が必要だと思います。
「この研究室に入りたい!」「この研究をしたい!」
何でもいいので、自分の強い意志を持つことは、その後の研究生活のモチベーションの維持にもつながると思います。

先生からのメッセージ

大学進学に際しては、学部や学科名だけでなく、そこに所属する先生方が、(1)どのような研究をしているのか、(2)何を専門としているのか、調べてみてください。自分が身に付けたいことが、その学科でできるかどうか分かると思います。
大学の醍醐味は、自ら研究に従事する「卒業研究」にあります。進学先を選ぶ際は、どのような「卒業研究」ができるのか調べてみると良いでしょう。

(2009年1月現在)