「持続可能な資源循環のための社会システム評価」(村上進亮講師)

東京大学大学院 工学系研究科 システム創成学専攻 山冨・村上研究室

研究内容

鉱山の最適採掘形状のシミュレーション

菱刈鉱山の天然金鉱石は45g/t(0.0045%)で世界最高クラス。一方、E-wasteは、0.2%くらいの金含有量。

携帯電話の平均使用年数の推移(解約年度別)

テーマ:
持続可能な資源循環のための社会システム評価
概要:
工学、経済学などの複数の学分野の知見を生かして社会システムの評価を実施しています。評価の対象は、天然資源開発とリサイクルをとおした資源循環全体を見通すような大きなものを対象としています。こうした研究を通して「持続可能な資源循環」の在り方について、リサイクルだけでも天然資源開発だけでもない真の循環型社会の在り方を描き出すようなことを目的にしています。この二つの分野を結びつける話題として、資源開発国や昨今話題のE-wasteを輸入している地域における環境影響評価なども研究対象となり、こうした負のインパクトを避けつつすべての国、地域にとってwin-winとなるような社会システム作りと言ったところが研究の最終ゴールとなります。
所属は大学院工学系研究科、工学部と理系になりますが、研究内容は社会科学寄りになります。環境や、資源開発と言ったトピックで文理学際分野に興味のある方はお気軽にお問い合わせください。教養学部で文科系に所属していて本郷から理系へ進学したい方、学部は文系だが、大学院からもう少し理系的な知見も加えた研究をしたい方、逆に純粋な理系の学部出身で、大学院からはもう少し経済、社会よりの研究をしたい方などの相談もお気軽にどうぞ。
キーワード:
社会システム評価, 資源経済学, マテリアルフロー分析, 産業エコロジー, 国際資源循環, 資源開発の環境負荷
学部体系:
人文社会科学系(人文社会系, 経済学系), 理工学系(資源・エネルギー系)
研究分野:
ごみ・リサイクル(3R関連, LCA・環境マネジメント関連等, 廃棄物処理関連, その他廃棄物・リサイクル関連)

研究室概要

大学・研究室名
東京大学大学院 工学系研究科 システム創成学専攻 山冨・村上研究室
【研究室の特色・PR】
この研究室では、採鉱学に端を発し、近年では資源経済学、産業エコロジーと言った社会科学的な分野にまでその研究の分野を広げています。対象としては、鉱山開発はもちろんのこと、リサイクルも念頭に、非鉄ベースメタルからレアメタル・貴金属類へと様々なものに関する研究を実施しています。そのため、就職先も多岐にわたっており、資源開発系企業から、商社、金融、コンサルタント、官庁、研究者など、様々な分野で卒業生は活躍しています。研究内容が工学的な場合はもちろん、社会科学的なものである場合にも、必ず現場の見学、可能な限りは実習等をしてもらうことで現場を知った上での研究を行うこと、ひいてはそうした経験を生かして社会へ羽ばたいてもらうことを期待しており、鉱山の現場の見学などが比較的簡単に行えることはうちの研究室の売りであると言えます。
【先生のプロフィール】
氏名:
村上進亮
出身大学:
東京大学工学部地球システム工学科
出身大学院:
東京大学大学院工学系研究科地球システム工学専攻 (修士、博士(工学))
Div. of Economics and Business, Colorado School of Mines (Ms. Sci(Mineral Economics))
卒業研究のテーマと概要:
学部:銅の超長期需給シミュレーション
大学院:東京都における一般廃棄物処理の最適化
金属マテリアルフロー勘定体系の構築と分析
職歴など:
国立環境研究所 循環型社会形成推進・廃棄物研究センター 循環型社会形成システム研究室 流動研究員  (2004年 9月-2006年3月)
国立環境研究所 循環型社会・廃棄物研究センター 国際資源循環研究室  研究員(2006年 4月〜2007年 3月)
東京大学大学院工学系研究科 地球システム工学専攻 講師 (2007年 4月〜2008年3月)
東京大学大学院工学系研究科 システム創成学専攻 講師 (2008年 4月)
東京大学工学部 システム創成学科 環境・エネルギーシステムコース担当
研究室HP:
http://lead.geosys.t.u-tokyo.ac.jp/murakami/
【所属学生の人数】
6~10人程度
【ゼミの恒例行事(旅行・実習・調査など)】
主な行先: 鉱山始め資源開発現場やリサイクル現場への実習・見学を不定期に行っています
【研究室連絡先】
東京都文京区本郷7-3-1

先生からのメッセージ

最近やたらと資源ブームですが、ブームであろうと無かろうと今のところ天然資源というのは我々の社会にとって必要不可欠なものです。なので、当然そうしたものについて学ぶことは重要なものですが、個々の技術などについては研究は進んでいるものの、社会全体としてこれをどう考えていくのか、そして持続可能な社会形成のためにどのように資源を使い、環境を守っていくのか、分からないことはたくさんあります。まだまだ研究する人も、現場で働く人も非常に不足しているという風に私自身は感じています。少しでも興味があれば、自分なりに考えてみること、性急に結論を出そうとして間違えないことが大事だと思います。
幅広い分野の本を読み、考えて暮らしていくことが、老若男女を問わず重要になりますが、月並みになってしまいますが、若い皆さんは基礎的な学力を身につけることが重要になります。きっとやりたいことは歳と共に変わっていくでしょうし、これから見つかるものもあるでしょう。そうしたときに、ものを考えると言うことがどういうことかが分かっていること、そしてそのための必要最低限のツールを持っていること、というのは今後の皆さんの人生にとって糧となるはずです。

(2009年1月現在)