大学研究室紹介

「生物と地球環境に貢献するシステムの構築」(本仲純子教授)

徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部ライフシステム部門化学機能創生コース

研究内容

  • テーマ:
  • 生物と地球環境に貢献するシステムの構築
  • 概要:
  • 主に電気化学センサーと環境分析を重要な2本の柱として研究を進めています。
    電気化学センサーでは、1980年ころから新規センサーの開発に関する研究を開始し、マンガンイオン測定用センサーを手始めに、これまでに30種類以上のセンサーを試作しその特性を評価してきました。最近では、簡便かつ安価な電極作製を目的として電解重合膜を形成するビロールに高速な電子移動反応性を有するオスミウム錯体を導入した血晴中グルコースの簡易定量センサー、センサーの応答の長期安定性を向上するために感応素子として耐熱性酵素を用いたセンサー、入手が容易かつ簡便に酵素を固定可能な寒天などの温度応答性ポリマーを利用したアミノ酸測定用センサーの構築を進めています。
    環境分析については、大気水圏・都市環境計測システムの構築、大気粉塵中微量金属元素の計測、環境試料中重金属元素の除去法の開発、排水中薬品の高感度分析法の構築などの研究を進めています。
    また、ルーマニア工科大学との共同研究では大気中の微小粒子に含まれる重金属元素の多元素動態解析を、エチオピア・ゴンダール大学とはエチオピアの感染症罹患者の血清試料中の必須微量元素の定量を、またベトナムとはベトナム住民の血清中微量元素についての研究をしています。
  • キーワード:
  • センサー試作, 大気測定, 水質測定
  • 学部体系:
  • 理工学系(応用化学系)
  • 研究分野:
  • 健康・化学物質(分析・モニタリング・評価関連)

    エチオピア貧民街の子供達。疾病と血清中必須微量元素との相関について、ルーマニアと共同研究を進めています

    エチオピアにおける疾病と血清中必須微量元素との相関についての研究発表資料

    生物と地球環境に貢献するシステムの構築目指して(「とくtalk(徳大広報誌)」の研究室紹介より)

    研究室概要

  • 大学・研究室名:
  • 徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部ライフシステム部門化学機能創生コース
  • 研究室の特色・PR:
  • 現在、私たちの研究室で行っている研究には、「大気・水圏・生体試料中微量金属の分析法の開発と濃度相関解析」「環境試料中の重金属元素の除去法の開発」「世界中緯度地域における環境保全のための化石燃料燃焼時における排出成分の実態調査」「エチオピアにおける疾病と血清水必須微量元素との相関」などがあります。研究室の恒例行事には、新卒論生歓迎会、誕生会、激励会、送別会の他、ソフトボール大会や夏休み一泊旅行など多数あります。大学院へ進学する人は半数以上います。就職先は、住友化学、大鵬製薬工業、日亜化学工業、大塚製薬、三洋電機など。
  • 先生のプロフィール:
  • 氏名:
    本仲純子
    出身大学:
    武庫川女子大学薬学部
    出身大学院:
    徳島大学大学院薬学研究科
    卒業研究のテーマと概要:
    大学院:成分未詳繁用民間薬の研究。特にAstragalus mongholicus根の成分中サポニン並びにアミノ酸類について
    職歴など:
    1969年4月 徳島大学工業短期大学部 助手
    1991年8月〜1992年4月 米国イリノイ大学アーバナシャンペイン校にて客員研究員
    1993年10月 徳島大学工学部助手
    1994年4月 徳島大学工学部助教授
    1999年11月 〃 教授
    2006年4月 徳島大学ソシオテクノサイエンス研究部教授(改組による)
  • 所属学生の人数:
  • 21人~
  • ゼミの恒例行事(旅行・実習・調査など):
  • 1泊2日程度
    年 1回
    2泊~1週間未満
    年 0回
    1週間~1か月以内
    年 0回
    1か月以上
    年 0回
  • 研究室連絡先:
  • 徳島県徳島市南常三島町2-1

    研究室メンバーからのメッセージ

    家族のように和気藹々とした雰囲気で
    研究室は先生やドクターも含めて25名。
    「誰かが学会に参加するときは激励会を開いたり、誕生会(先生のおごりだそうです)があったりと、毎月何かあります。年に1度の旅行や阿波踊り、研究室対抗のソフトボール大会では試台が近くなるとタ方から練習します。年末は先生の家に集まって忘年会など、アットホームな和気あいあいとした雰囲気です」
    昨年9月には分析化学会が徳島で開催され、研究室をあげて手伝ったそうです。
    「良い意味で上下の垣根がなく、楽しい研究室です」と語る谷さんの将来の目標は、研究の仕事を続けること。
    (「とくtalk(徳大広報)」No.130 p.7より抜粋)

    先生からのメッセージ

    夢の実現に期待します
    人が他の動物と違っている一番の点は、夢を描<ことができる事だと思います。
    もし夢が何も無いとすれば人の心は枯渇し、生きる糧を無くします。この世において価値のあるものは、人が勇敢に描いた夢から出発しているとも言えます。もし、人類の歴史から夢を取り去ったとしたら、現在私たちを取り巻く工学、医学、経済、政治、教育、文化、芸術などあらゆる分野のものは存在していなかったでしょう。これらは幾世代にもわたり、人間が夢を描く事によって築き上げてきた財産であります。高校生の皆様がこれからの世代を担うことは間違いありません。
    若いエネルギーあふれる今こそ、何も恐れないで、時間や空間を超えて無限の能力を実現するための原動力になる大きな「夢」を描いて下さい。「夢」を描く事で、受験勉強のエネルギーをも生み出すでしょう。偏差質や大学名等にのみ囚われるのではなく、夢を叶えるためには、自分が本当に興味を持てる分野へと進学する事です。若さあふれる皆様が大きな夢の「実現」に向けて努力してくれる事を期待してやみません。

    (2009年1月現在)