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「大気・海洋間における熱および二酸化炭素の交換機構の解明とモデル化 −熱流体工学に基づく気候変動・異常気象等の正確な予測をめざして−」(小森 悟教授)

京都大学大学院 工学研究科機械理工学専攻 流体理工学講座 環境熱流体工学研究室

研究内容

大気海洋シミュレーション風洞水槽

雲の成長機構の解明とモデリングのための、雲粒の衝突成長シミュレーション(DNS)。

液滴の周囲における流動(DNS)

テーマ:
大気・海洋間における熱および二酸化炭素の交換機構の解明とモデル化 −熱流体工学に基づく気候変動・異常気象等の正確な予測をめざして−
概要:
地球の温暖化や集中豪雨等の異常気象を正確に予測する際に極めて重要となる物質(炭酸ガス等の温暖化効果ガス)および熱の大気・海洋間での交換機構の解明と交換量の正確な評価を行うことを一つの目的として研究を行っています。風波状態にある気液界面を通しての物質および熱の輸送機構を、風洞水槽や開水路を用いた室内実験とスーパーコンピュータを用いた数値シミュレーションにより熱流体工学的に明らかにするとともに、スカラー輸送に及ぼす様々な諸因子の影響も考慮して、物理的知見に基づく信頼性の高い物質および熱の輸送モデルを構築することに取り組んでいます。 また、密度成層した(鉛直方向に温度勾配や塩分濃度勾配が存在するため浮力効果が発生する)大気、海洋の乱流中で、物質や熱がどのように拡散すのかを解明し、その乱流拡散機構をモデル化するための研究を実験と数値計算の両面から行っています。
また、化学反応器、燃焼器、燃料電池等の最適設計等につながる乱流場での運動量・熱・物質の拡散機構および混合反応機構の解明とそのモデル化、高効率マイクロリアクターの開発につながるマイクロ流路内での各種流体混合反応促進技術の開発、粉体輸送などに関連する固気、気液混相流のモデル化など機械工学分野で最近話題となっている研究にも取り組んでいます。
キーワード:
大気・海洋相互作用, 気液界面での熱および物質輸送, 密度成層流, 乱流混合と化学反応(燃焼), 乱流場での粒子運動, 乱流の数値シミュレーション
学部体系:
理工学系(機械工学系)
研究分野:
地球環境(その他地球環境関連)、大気環境(その他大気関連)、水・土壌環境(その他水・土壌関連)

研究室概要

複雑旋回バーナを伴う火炉内微粉炭燃焼場の数値シミュレーション(LES)。上図は主流方向流速、下図は火炎温度。

大学・研究室名
京都大学大学院 工学研究科機械理工学専攻 流体理工学講座 環境熱流体工学研究室
【研究室の特色・PR】
本研究室では、炭酸ガス等の温暖化物質および熱の大気・海洋間での輸送機構の解明と輸送量の正確な評価を、全長約30mの風洞水槽等を用いた室内実験と国立環境研究所等のスーパーコンピュータを用いた数値シミュレーションにより明らかにすることをめざしています。そのため、実験グループでは流体計測に関する高度な技術から高度な解析手法の適用・開発までを幅広く学び、また計算グループでは最新の流体数値計算プログラムの適用・開発に携わることができます。研究の方針としては、学生さんには、できるだけ実験と数値計算の両グループでの研究を経験させ、見栄えが良い応用研究だけではなく、大学でしかできない「学問」と呼べるような基礎研究を行ってもらうことに重点をおいています。
本研究室は高度な流体研究設備(実験装置、コンピュータ)が十分に整っているだけでなく博士後期課程の学生さんも多いことから、研究活動を行うには申し分ない環境にあると言えます。また、修士課程の学生さんは主に自動車・重工業・化学・エネルギー関連の会社へ就職する傾向にあります。
【先生のプロフィール】
氏名:
小森 悟
出身大学:
京都大学工学部化学工学科
出身大学院:
京都大学大学院工学研究科博士課程化学工学専攻
職歴など:
職歴
昭和54年 4月京都大学工学部化学工学科助手
昭和55年 4月環境庁国立公害(現:環境省国立環境)研究所大気環境部研究員
昭和60年 4月ケンブリッジ大学応用数学理論物理学科客員研究員
昭和61年 5月九州大学工学部化学機械工学科助教授
平成 8年10月 九州大学工学部化学機械工学科教授
平成10年 4月 京都大学大学院工学研究科機械工学専攻教授
平成17年 4月 京都大学大学院工学研究科機械理工学専攻教授
現在に至る。
研究室HP:
http://www.fluid.me.kyoto-u.ac.jp/
【所属学生の人数】
11~20人程度
【ゼミの恒例行事(旅行・実習・調査など)】
1泊2日程度  年 1回
2泊~1週間未満  年 0回
1週間~1か月以内  年 0回
1か月以上  年 0回
【研究室連絡先】
京都府京都市左京区吉田本町
075-753-5263
fluid@mbox.kudpc.kyoto-u.ac.jp

研究室メンバーからのメッセージ

私たちの研究室には、他の研究室には無いようなとても大きな実験装置がたくさんあります。これらの大きな実験装置では、海洋や河川、そして大気のシミュレーション等が出来ます。これらの装置の使い方や多岐に渡るデータの解析手法については、先生方や研究室の先輩方が厳しくかつ丁寧に教えてくれます。研究生活で身につけることのできる知識や経験は、その研究分野にとどまらず、他の研究分野や企業での仕事などで広範囲に役立つものです。また、研究生活以外にも野球大会や研修旅行など年間を通してさまざまなイベントがあります。研究面でもその他の大学生活の面でも学ぶことが多く、私たちの研究室は社会的常識をも十分身につけたエンジニアや研究者として成長するのにとてもよい環境だと自信を持ってお勧めできます。

先生からのメッセージ

当研究室では環境中に現れる熱および物質の輸送を伴う乱流輸送現象を室内実験と数値計算の両方を用いて解明し、モデル化することをめざしています。我々を取りまく大気や海洋などの環境中には、数多くの興味深い運動量、熱、および物質の輸送を伴う未解明の現象があり、その現象はスケールの違いこそあれ、機械工学分野で扱う流体装置、伝熱装置、反応器などの工業装置にも共通して見られるため、当研究室では機械工学系の研究室でありながら環境中の流れに関する研究を機械工学の専門とする運動量、熱、物質の三つの輸送を扱うことのできる熱流体工学をベースにして行っております。学生さんには、これらの現象を自分の目で実際に観察しながら常識にはとらわれない自由な発想のもとで、また労力と時間を惜しまずに解明し、モデル化して行くことの喜びを味わってもらうことをめざしています。また、研究室での生活面では独創性を重んじる研究の立場とは異なり、他人の立場に立って物を考えられる常識的なマナーを身につけてもらうよう、教員と先輩の協力の下で厳しくかつ温かく指導しております。

(2009年1月現在)