(国研)森林研究・整備機構森林総合研究所を中心とする研究グループは、福島第一原子力発電所事故の際に放出された放射性セシウム(Cs)が、雨だけでなく「霧」も関与して拡散、沈着したことを明らかにした。霧は隠れた降水とも言われ、雨量計では測れないことから、森林のなかに観測塔を設置し、専用の霧サンプラーを用いた「霧水」の採取や化学分析が行われている。今回、2011年の事故直後に東京大学・秩父演習林(埼玉県秩父市)で採取した霧水サンプルと、林外の降水と林内の降水(以下「林内雨」)の放射性Cs濃度を分析した結果、霧水と樹冠を通過した林内雨の放射性Cs濃度は降水よりも高いことが分かった。樹冠を通過した雨水の放射性Cs濃度は低下するという通説を覆す結果となったため、東日本21箇所の林内雨の解析を進めたところ、標高350 m以上の山地森林では林内雨の放射性Cs濃度が相対的に高くなる傾向が見出され、これら山地森林での霧や雲による放射性Csの沈着が示唆された。「霧」の放射性Cs濃度は雨よりも高く、葉の表面や樹皮に長時間付着し続けるため、このような山地森林では樹木表面から放射性Csが吸着した可能性が考えられるという。
情報源 |
【オンライン情報源1】 森林研究・整備機構森林総合研究所 研究紹介 |
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配布形式1 |
【交換形式名称】HTML 【版】不明 |
タイトル | 森林総研など、山地森林の放射能汚染における「霧」の関与を解明 |
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日付1 |
刊行日: 2020/03/13 |
要約 | (国研)森林研究・整備機構森林総合研究所を中心とする研究グループは、福島第一原子力発電所事故の際に放出された放射性セシウム(Cs)が、雨だけでなく「霧」も関与して拡散、沈着したことを明らかにした。霧は隠れた降水とも言われ、雨量計では測れないことから、森林のなかに観測塔を設置し、専用の霧サンプラーを用いた「霧水」の採取や化学分析が行われている。今回、2011年の事故直後に東京大学・秩父演習林(埼玉県秩父市)で採取した霧水サンプルと、林外の降水と林内の降水(以下「林内雨」)の放射性Cs濃度を分析した結果、霧水と樹冠を通過した林内雨の放射性Cs濃度は降水よりも高いことが分かった。樹冠を通過した雨水の放射性Cs濃度は低下するという通説を覆す結果となったため、東日本21箇所の林内雨の解析を進めたところ、標高350 m以上の山地森林では林内雨の放射性Cs濃度が相対的に高くなる傾向が見出され、これら山地森林での霧や雲による放射性Csの沈着が示唆された。「霧」の放射性Cs濃度は雨よりも高く、葉の表面や樹皮に長時間付着し続けるため、このような山地森林では樹木表面から放射性Csが吸着した可能性が考えられるという。 |
目的 | ニュースリリース等の配信 |
状態 | 完成 |
問合せ先(識別情報)1 |
【組織名】森林研究・整備機構森林総合研究所 【役職名】 【個人名】 【電話番号】 【FAX番号】 【住所】 【E-mail】 【オンライン情報源】森林研究・整備機構森林総合研究所 【案内時間】 【問合せのための手引き】 【役割】情報資源提供者 |
問合せ先(識別情報)2 |
【組織名】茨城大学 【役職名】 【個人名】 【電話番号】 【FAX番号】 【住所】 【E-mail】 【オンライン情報源】茨城大学 【案内時間】 【問合せのための手引き】 【役割】情報資源提供者 |
問合せ先(識別情報)3 |
【組織名】気象庁気象研究所 【役職名】 【個人名】 【電話番号】 【FAX番号】 【住所】 【E-mail】 【オンライン情報源】気象庁気象研究所 【案内時間】 【問合せのための手引き】 【役割】情報資源提供者 |
分野 |
自然環境 大気環境 |
種別 | ニュース・イベント:ニュース:国内ニュース |
場所 | アジア:日本 |
キーワード | 樹冠、森林、森林総合研究所、吸着、放射性セシウム、秩父市、福島第一原子力発電所事故、霧、霧サンプラー、霧水 |
言語1 | 日本語 |
文字集合1 | utf8 |
主題分類 | 環境 |
ファイル識別子 | 105682 |
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言語 | 日本語 |
文字集合 | |
親識別子 | |
階層レベル | 非地理データ集合 |
階層レベル名 | 国内ニュース |
日付 | 2020/03/23 |
メタデータ標準の名称 | JMP |
メタデータ標準の版 | 2.0 |
国内ニュース | https://tenbou.nies.go.jp/news/jnews/detail.php?i=29091 |
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