アメリカやドイツなどの国際研究チームが北極圏の湖底堆積物コアのデータを解析し、およそ350~200万年前、大気中のCO2濃度は現在よりさほど高くなかったにもかかわらず、北極の気候はきわめて温暖であったとの研究成果を報告した。ロシアのエリギギトギン湖は360万年前に隕石の衝突によってでき、その後も氷河による浸食を受けなかったため湖底の堆積物はほぼ途切れて蓄積し、古気候の良質な記録をとどめている。この湖の堆積物コアを解析したところ、この場所が森林におおわれていたことを示す花粉化石を発見。これらの花粉から過去の湖周辺の植生や気温、降水量を再現した結果、この地域では鮮新世(500~160万年前)中期の夏季の気温が15~16℃と現代より約8℃も高く、降水量も3倍だったことが判明したという。こうして再現された古気候と気候モデルからは、地球気候のCO2感度はかなり高く、大気中CO2濃度のわずかな変動で北極の気候が変化しうるとする他の研究グループの推定とも一致したという。
情報源 | アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ国立科学財団(NSF) |
分野 | 地球環境 |
キーワード | CO2 | アメリカ国立科学財団 | NSF | 北極圏 | 気候 | 堆積物 | 花粉 | 大気中濃度 | エリギギトギン湖 |
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