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 アメリカ海洋大気庁、蚊の駆除に使う殺虫剤の稚貝への影響は少ないが、低酸素・酸性化海域では毒性が上昇するという研究結果を公表

発表日:2014.06.09


  アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、アメリカ大西洋及びメキシコ湾沿岸で蚊の駆除に最もよく使われている4種類の殺虫剤(ナレド、レスメトリン等)がカキとホンビノス貝の幼生・稚貝に対して示す毒性を調べた研究で、危険性は低いが、気候変動による低酸素化や酸性化が進んだ海域ではその毒性が増すという結果を発表した。カキとホンビノス貝の水揚げ量は多く、その経済価値は大きい。両種ともに上記沿岸の塩性湿地を生息地とし、水質を浄化・改善するため、沿岸生態系に重要な役割を果たしてもいる。一方、アメリカにはマラリアやデング熱等の重大な病を媒介する恐れのある蚊が約200種生息しており、効果的な駆除には水生湿地に棲む種を標的とした殺虫剤散布が必要となる。今回の研究では、殺虫剤への感受性は種や発達段階によって異なるものの、リスクは少ないと評価された。しかし低酸素化や酸性化といった気候のストレス要因下では毒性が増すこともわかった。NOAAは、沿岸域で殺虫剤を使用する際は、これらの気候関連要因を考慮する必要があるとしている。

情報源 アメリカ海洋大気庁(NOAA) プレスリリース
国・地域 アメリカ
機関 アメリカ海洋大気庁(NOAA)
分野 地球環境 健康・化学物質 自然環境
キーワード NOAA | 気候変動 | 殺虫剤 | 酸性化 | 毒性 | アメリカ海洋大気庁 | 海域 | 貝類 | 沿岸域 | 低酸素化
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