ドイツ連邦環境庁は、下水汚泥の焼却灰から、ドイツ国内で使われる無機肥料に必要なリンの13%弱が回収可能だとする研究結果を公表した。研究では、ドイツ国内の下水汚泥の単体焼却で発生している年間約30万トンの焼却灰の、リンや金属、レア・アース等の有価物の含有量を分析した。ドイツ国内では、毎年200万トン弱の下水汚泥が発生している。そのうち半分弱が農業や造園の肥料として利用され、残りが焼却処理されているが、下水汚泥には重金属や有機汚染物質が含まれるため、今後は農業での利用は減り、焼却処理が増えると考えられる。現在、その焼却灰はほぼすべて廃棄処分され、灰に含まれるリン等の有価物は経済循環から除かれている。しかし農業における年間リン需要は年間50万トン、そのうち15万トン弱が無機肥料の形で必要とされている。これらはリン鉱石の採掘で供給されているが、リン鉱石はEU国内ではほぼ輸入に依存しており、ウランやカドミウムといった重金属汚染も指摘されている。このため、リン鉱石採掘に代わる方法でのリン獲得が求められている。
情報源 | ドイツ連邦環境庁(UBA) プレスリリース ドイツ連邦環境庁(UBA) 報告書「廃水汚泥単体焼却灰のモニタリング」(PDF) |
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国・地域 | ドイツ |
機関 | ドイツ連邦環境庁(UBA) |
分野 | ごみ・リサイクル 健康・化学物質 |
キーワード | 焼却灰 | 下水汚泥 | リン | ドイツ連邦環境庁 | UBA | 肥料 |
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