イギリス政府は、クモの毒を利用し、標的でない生物には害を与えない次世代農薬の開発を支援するため、企業や大学によるプロジェクトに総額1600万ポンドを助成すると公表した。農薬によって、有害な標的生物だけでなく作物の受粉を媒介するハチ等の非標的生物も防除してしまうことが、現代の農業技術における大きな課題となっている。今回発表されたプロジェクトの一つは、クモ毒に含まれる天然のペプチドを利用し経口で効果を発揮するもので、作物を食べる特定の害虫のみを防除できるという。天然ペプチドを担体タンパク質と結合させて作物に散布することで、担体タンパク質が作物を食べた害虫の消化管から神経系にクモ毒を運び、致死効果をもたらす。プロジェクトの初期段階では、小麦と菜種の害虫であるナメクジや甲虫を標的とした農薬開発に取り組むという。イギリス環境・食糧・農村地域省のモーリー政務次官は「これらのプロジェクトは科学技術によって食糧生産と農村経済の未来を守るモデルとなり、イギリスの農業科学、農業食料産業、環境に貢献するもの」としている。
情報源 | イギリス環境・食糧・農村地域省(Defra)、イギリスビジネス・イノベーション・職業技能省(BIS)他 プレスリリース |
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国・地域 | イギリス |
機関 | イギリス環境・食糧・農村地域省(Defra) イギリスビジネス・イノベーション・職業技能省(BIS) |
分野 | 環境総合 |
キーワード | 農業 | 農薬 | Defra | イギリス環境・食糧・農村地域省 | BIS | イギリスビジネス・イノベーション・職業技能省 | クモ毒 | ペプチド |
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