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 化学物質による水質汚濁、男性ホルモンの減少に関係か

発表日:2009.01.19


  イギリスで、男性ホルモン(アンドロゲン)の一種、テストステロンを阻害する化学物質が、河川に流入する道筋を示す初めての研究成果が「Environmental Health Perspectives」誌に掲載された。この研究はブルネル大学、レディング大学等によるもので、男性ホルモン抑制作用を持つ化学物質の一群を特定した。癌治療薬や農薬等に含まれるこれらの化学物質は、男性ホルモンの働きを阻害し、男性の生殖能力を削減し、水系に流入すると雄の魚の雌化を引き起こすおそれがあるという。過去の研究では、女性ホルモン(エストロゲン)やエストロゲン様の化学物質が雄の魚の雌化につながることが示されていたが、今回の研究で、より幅広い化学物質が魚類の内分泌かく乱につながっている可能性が示された。論文の主筆者、ブルネル大学のジョブリン博士は今後、こうした物質の排出源を突き止め、これらの化学物質と既知の環境エストロゲンとの複合的な影響について試験を行い、環境保健分野での保護の強化に役立てたいとしている。

情報源 イギリス自然環境研究会議(NERC) プレスリリース
国・地域 イギリス
機関 イギリス自然環境研究会議(NERC)
分野 健康・化学物質
キーワード 化学物質 | イギリス自然環境研究会議 | NERC | エストロゲン | アンドロゲン | 水質汚濁 | テストステロン
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