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 イギリス気象庁、大西洋南北熱塩循環の弱まりは十年規模の変動によるものと分析

発表日:2016.05.26


  イギリス気象庁(MetOffice)は、過去十年間の大西洋南北熱塩循環(AMOC)の弱まりの要因は気候変動でなく、十年規模の変動である可能性が高いとする研究成果を発表した。AMOCは南の温かい海水を高緯度海域に運ぶ海洋の循環で、欧州の温暖な気候を保つなど気候システムで重要な役割を果たしている。しかし、過去十年間弱まっていることが観測され、気候変動がその原因かどうか問題となっている。今回の研究では最新の海洋力学モデルと衛星からの海洋観測、海洋浮遊型観測装置による試料採取を組み合わせて再分析し、毎年の変動と十年規模の傾向を正確に記録した。その結果、過去十年間にAMOCが弱まったことを確認したが、その前には強まっていた期間があり十年規模の変動である可能性が高いことが分かった。ただし、十年規模の変動と、より長期的な傾向が重なった可能性もあるという。また、数年前に見られたラブラドル海(グリーンランドとカナダの間)の海水の密度減少との関連性も示されており、MetOfficeは同海域の密度を引き続きモニタリングすればAMOCの今後の変化について有益な情報が得られる可能性があるとしている。

情報源 イギリス気象庁(MetOffice) プレスリリース
国・地域 イギリス
機関 イギリス気象庁(MetOffice)
分野 地球環境
キーワード 気候変動 | イギリス気象庁 | 海洋循環 | 海氷 | 大西洋 | AMOC | MetOffice | ラブラドル海 | 熱塩循環
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