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 アメリカの科学者ら、水域への窒素浸出を避けるため施肥の最適化につながるモデルを開発

発表日:2016.07.25


  アメリカ国立科学財団(NSF)の援助を受けたアメリカの科学者らは、肥料窒素分が水域に浸出することを回避しつつ作物の成長を促進する肥料散布技術を確立するため、土壌に窒素分が滞留する期間を分析するモデルを開発した。土壌に植物が必要とする以上の窒素が含まれていると、余剰分は河川や湖沼、海洋に浸出、蓄積し、環境に悪影響を及ぼす。科学者らは、アメリカ中西部で一般的なトウモロコシと大豆の輪作農園で、新しく散布された肥料または微生物が生産した硝酸塩およびアンモニウムを窒素年齢ゼロとし、湿度、温度、微生物による化学反応や化学変化を通して窒素が重ねる年齢を分析した。その結果、大豆はトウモロコシよりも古い窒素を吸収するため大豆農園の窒素は比較的新しいこと、土壌の表層には深層よりも古い窒素が蓄積することが明らかになったという。このモデルによって土壌に窒素が滞留する期間を把握することで、窒素肥料を一律に散布するのではなく作物に必要な量を正確に適用できるようになり、肥料の量を大幅に削減できる可能性があるという。

情報源 アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース
国・地域 アメリカ
機関 アメリカ国立科学財団(NSF)
分野 水・土壌環境
キーワード アメリカ国立科学財団 | NSF | トウモロコシ | 土壌 | 肥料 | 窒素 | 環境影響 | 水域 | 大豆
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