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 国際自然保護連合、海洋温暖化に関する包括的報告書を公表

発表日:2016.09.05


  国際自然保護連合(IUCN)は、海洋温暖化に関する最新かつ包括的な報告書を公表した。それによると、海洋温暖化はサンゴ礁をはじめ生態系全体の様々な種に危機的な変化をもたらしており、人間の生活にも影響が出始めているという。1970年代以降、人間活動で増加した熱の93%以上が海洋に吸収されている。その規模は、例えば1955~2010年に、海面から2kmの深さまでの海洋上層に吸収された熱が地上10kmの大気に吸収されていたとしたら、気温は36℃も上昇したはずだという。また海洋温暖化により、極地から熱帯まで生態系全体で影響が増大し、その範囲は沿岸から深海の海底まで及ぶと予測。プランクトン、クラゲ、魚類等の生物種は、生息可能な環境を求め緯度にして極方向に最大10度移動しており、海洋における変化は陸域に比べ1.5~5倍の速さで進んでいるという。現在、海洋関連のデータ等が根本的に不足しており対応が遅れているため、今後は、気候システムの根幹をなす海洋への影響を温暖化議論の中心に据え、CO2を早急かつ大幅に削減することが不可欠だと指摘している。

情報源 国際自然保護連合(IUCN) プレスリリース
国・地域 国際機関
機関 国際自然保護連合(IUCN)
分野 地球環境 自然環境
キーワード 生態系 | 海洋 | 生物 | サンゴ礁 | 国際自然保護連合 | IUCN | 報告書 | 温暖化
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