三畳紀と白亜紀の間に起きた生物の大量絶滅は、CO2のわずかな増加が原因だった可能性があるとの論文が2009年6月19日付け「サイエンス」誌に発表された。これはダブリン大学のマクエルウェイン氏らによるもので、グリーンランド東部で採取した2億年前の葉の化石を調査。絶滅の原因として、従来、地球温暖化が疑われてきたが、これまで考えられていたより、はるかに少ないCO2濃度の上昇で、生態系が回復不可能な状況に達した可能性があることが分かった。火山によるSO2の増加も植物の絶滅の一因となった可能性があるという。さらに、絶滅が始まる前に、既に生態系の悪化を示す兆候があったことも判明した。大気中のCO2濃度は、最悪のシナリオで、2100年までに現在の2.5倍、古代に植物が大量絶滅した時期と同じ900ppmに達すると予測されている。現在、生態系への最大の脅威は森林破壊等の土地利用の変化だが、CO2や気温の小さな変化も、予想外の深刻な結果をもたらすおそれがあるとマクエルウェイン氏は警告している。
情報源 | アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ国立科学財団(NSF) |
分野 | 地球環境 |
キーワード | CO2 | 生物多様性 | 生態系 | 地球温暖化 | 二酸化炭素 | アメリカ国立科学財団 | NSF | 絶滅 | 太古 | 化石 |
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