中国科学院海洋学研究所(IOCAS)は、中国の「第一類保護動物」であるカラチョウザメの海水における繁殖に成功したと発表した。これは、2001年から研究に着手したIOCASのシャオ氏率いる研究グループによるもの。幼いカラチョウザメを直接、海水に放し、淡水から海水への移行期間を短くすることで、生存率が格段に上昇。塩分濃度3.2‰の海水で約1年後に3~6kgまで成長したという。カラチョウザメは、約1億4000年前からの固有種と考えられ、長江及び銭塘江や民江等の沿岸に生息。淡水で産卵したのち海に下り、また成熟期になると繁殖のために上流へ上る遡河性の魚類だが、長江上流の金沙江などに葛州覇ダムが建設されたため、遡河ルートを絶たれていた。また、河川交通の騒音に敏感で、ボートのプロペラや漁網等によって傷つけられやすいため、飼育下繁殖による稚魚の放流も難航していた。今回の繁殖技術が、カラチョウザメの保護につながるとして期待されている。
情報源 | 中国科学院(CAS) プレスリリース |
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国・地域 | 中国 |
機関 | 中国科学院(CAS) |
分野 | 自然環境 |
キーワード | 中国科学院 | CAS | チョウザメ | 海水 | 淡水 | 遡河 | 長江 | ダム | 稚魚 | 産卵 |
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