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 クラゲなど海洋生物と海水混合の関連性を解明

発表日:2009.07.29


  クラゲなどの小さな海洋生物の動きが、海水の混合に大きな影響を与えているとの研究結果を、カリフォルニア工科大学のダビリ博士らが発表した(7月30日付けの「ネイチャー」誌に掲載)。これまで、小さな生物の移動で起こる乱流などは海水の粘度によって相殺されると考えられてきたが、同氏らは、空気力学に基づく「ダーウィン混合」メカニズムをもとに、小さな生物が周囲の水を引っ張ると考えて数理シミュレーションを実施。数十億匹のオキアミやカイアシ類(ミジンコ等)が深海から海表面へ一度に移動した場合、海水の粘度がダーウィン・メカニズムを助長し、その影響が増大することが判明した。さらに、これらを立証するため、パラオ諸島で浮遊するクラゲの周辺に蛍光塗料を流したところ、海水はクラゲの動きに沿って移動した。海洋生物が海水の混合を促すエネルギーは、世界全体で1兆ワットにものぼるという。今後は、糞粒やマリンスノー等の影響についても調査し、海洋循環のコンピューターモデルに組み入れて、気候変動のシミュレーションに活かしたいという。

情報源 アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース
国・地域 アメリカ
機関 アメリカ国立科学財団(NSF)
分野 地球環境
キーワード 海洋生物 | 気候変動 | アメリカ国立科学財団 | NSF | シミュレーション | 海水混合 | クラゲ | オキアミ | 粘度 | 海洋循環
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