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 アメリカ海洋大気庁ら、酸性化によって海洋の炭素吸収能力が低下すると予測

発表日:2019.12.18


  アメリカ海洋大気庁(NOAA)やメリーランド大学などの科学者は、大気中CO2の吸収による酸性化の進行で炭素吸収源としての海洋の役割が低下しつつあるとする研究結果を報告した。産業化以降、化石燃料の使用、セメント産業、森林伐採などの人間活動により2兆トンのCO2が排出された。海洋はその約25%を吸収してきたが、吸収によって気候変動の速度を緩和する海洋の「緩衝能力」は急速に低下している。今後100年間の気温上昇を予測する気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のシナリオのうち最も気温の高くなるRCP8.5シナリオでは、2100年の海洋の緩衝能力は、2000年の34%減という。酸性化による海洋生物への影響も大きい。本研究は、pH観測データとCO2予測モデルを初めて関連付け、より高精度の海域別pH・緩衝因子の軌跡(過去から将来までの変化の道筋)を示した。予測の向上により、海域レベルの海洋酸性化対策の策定に役立つと考えられる。

情報源 アメリカ海洋大気庁(NOAA) ニュース
国・地域 アメリカ
機関 アメリカ海洋大気庁(NOAA)
分野 地球環境 水・土壌環境
キーワード CO2 | 気候変動 | 海洋 | 化石燃料 | 酸性化 | アメリカ海洋大気庁 | 気温上昇 | 炭素吸収源 | メリーランド大学 | 緩衝能力
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