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 北大西洋の植物プランクトン大増殖は海面の渦が誘因、アメリカの海洋学者らが発表

発表日:2012.07.05


  アメリカの海洋学者らは、春・夏季における北大西洋の植物プランクトン大増殖(北大西洋ブルーム)は、海面の渦が誘因となっているとの研究結果を、サイエンス誌に発表した。植物プランクトンは、森林同様、春季からの日射増加に伴い、光合成によって大量のCO2を吸収し、地球の炭素循環に重要な役割を果たしている。海洋全体では、人間活動によるCO2排出量の約3分の1を吸収し、その20%以上を北大西洋が占めるとされる。今回の研究では、「北大西洋ブルーム」発生の仕組を解明するため、植物プランクトンの珪藻類に着目し、アイスランド沖でブルームの追跡調査を実施。海水の温度・塩分濃度・流速を測定するとともに、ブルームの化学的・生物学的性質に関するデータを収集した。その結果、春季に太陽が海洋を温め始める前に、海面の渦によってブルームが発生していることが判明したという。この渦が海水の鉛直混合を妨げ、本来ならば深層へと沈むはずのプランクトンが浅瀬にとどまることで、太陽光を大量に吸収して増殖し、海面の色を一気に変えると分析している。

情報源 アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース
国・地域 アメリカ
機関 アメリカ国立科学財団(NSF)
分野 地球環境 自然環境
キーワード CO2 | アメリカ国立科学財団 | NSF | 炭素循環 | 光合成 | 北大西洋 | 植物プランクトン | 珪藻 | ブルーム | 渦
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