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 地球の気候変動に海洋石膏堆積物が関与した可能性、地球科学者らが報告

発表日:2012.07.19


  カナダとアメリカの地球科学者らは、地球の気候変動に海洋石膏堆積物の溶解・凝固が関与しており、これが過去4500万年の地球寒冷化の原因になった可能性があるとの研究結果を報告した。大量の石膏堆積物の溶解・凝固は海水の硫酸塩濃度を変化させ、それが大気中の硫酸塩エアロゾルの量、ひいては気候に影響するという。通常は長期にわたって安定している海水の化学的性質に、時に急変期があり、約5000万年前のインド・ユーラシア両大陸の衝突もこの急変を引き起こしたという。この時、現在のオマーンからパキスタン、西インドにかけての大規模な水溶性石膏地帯で石膏の溶解が進み、これを契機に気候の寒冷化に移行したとみられる。報告では、海洋の硫酸塩濃度と炭素やリンの循環との強い相関関係の発見に基づき、過去の海水中硫黄組成データを照合した結果、海水中の硫酸塩濃度が高い時期に寒冷化、低い時期に温暖化という相関関係が見られたとしている。この報告は、海水の化学的性質と気候との関係に関する従来の理解を大きく変えるものだという。

情報源 アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース
国・地域 アメリカ
機関 アメリカ国立科学財団(NSF)
分野 地球環境
キーワード 気候変動 | アメリカ国立科学財団 | NSF | エアロゾル | 海水 | 温暖化 | 寒冷化 | 海底堆積物 | 硫酸塩 | 石膏
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