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 (独)国立環境研究所など、完新世の北太平洋中・深層水循環変動を解明

発表日:2014.02.25


  (独)国立環境研究所と(独)海洋研究開発機構は、完新世(過去1万年間)の北太平洋中・深層水循環変動を解明したと発表した。海洋深層水は、大量の熱を蓄熱し、熱帯から高緯度への熱の輸送をし、さらに大量の二酸化炭素を蓄積する機能をもつことから、深層水の循環は、地球の気候システムをコントロールする調整弁として重要な役割を果たしている。完新世は、氷期・退氷期に比べて極めて気候的に安定していたが、近過去だけでも小氷河期や中世温暖期といった人類活動に大きな影響をもたらした気候変動を経験している。今回、海底堆積物コアに保存された有孔虫化石の放射性炭素同位体の分析から千年スケールの時間分解能で完新世における北太平洋の中・深層水循環変動の実態解明に成功。7500~6000年前には、南半球の気候変動が引き金となって、北太平洋の中・深層水循環が強化されたことがわかった。この変動は、南極海周辺における大気循環が強化され、南大洋における深層水形成の強化と連動する形で、深層水循環の下流に位置する北太平洋の深層水循環が強化されたものと考えられるという。

情報源 (独)国立環境研究所 報道発表
機関 (独)国立環境研究所 (独)海洋研究開発機構
分野 地球環境
キーワード 二酸化炭素 | 気候変動 | 海洋研究開発機構 | 国立環境研究所 | 水循環 | 北太平洋 | 海底堆積物 | 完新世 | 海洋深層水
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