(独)理化学研究所と(株)カネカの共同研究グループは、植物を構成する成分であるリグニンの分解物を微生物に与えることで、バイオプラスチックの一種であるポリヒドロキシアルカン酸(PHA)を合成することに成功したと発表した。樹木に多く含まれるリグニンは分解性が低く、また分解後に得られるいくつかの分解物が微生物などへ毒性を示すなどの理由で、利用が困難であるとされてきた。同グループでは、PHAの生産株として有名な真正細菌「ラルストニア・ユートロファH16」が、4-ヒドロキシ安息香酸(4-HBA)など複数の芳香族化合物から、PHAを合成することを確認した。精製後に得られたPHAは、糖や植物油を原料として合成したPHAに比べ、分子量がやや低いものの、フィルムなどのプラスチック製品として利用可能な物性を示したという。今回の成果は、リグニン分解物を含む製紙工場などの廃液利用へも応用が可能で、幅広いバイオリファイナリー技術と融合することにより、新たなバイオマス産業の構築が期待できるという。
情報源 |
(独)理化学研究所 プレスリリース
(独)理化学研究所 60秒でわかるプレスリリース |
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機関 | (独)理化学研究所 (株)カネカ |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 微生物 | バイオマス | カネカ | 理化学研究所 | 植物 | リグニン | バイオプラスチック | PHA | ポリヒドロキシアルカン酸 |
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