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 国環研など、メコン川の水産有用魚種の回遊生態を解明

発表日:2014.08.07


  (独)国立環境研究所とウボンラチャタニ大学(タイ)は、メコン川に生息する水産有用魚種の回遊生態を解明し、同種へ及ぼされるダム開発の影響を定量的に評価したと発表した。国際河川メコン川は、回遊魚によって、高い漁業生産と魚類の多様性が支えられている。しかし、メコン川本流・支流には、電力需要の急増からダムの開発計画があり、地域的な絶滅などを通じて回遊魚の種数や生息域が減少することは避けられないと考えられている。今回の研究では、タイ、ラオス、カンボジアの3カ国のメコン川流域から採集した同種の耳石に蓄積された様々な元素を化学分析し、主に以下を明らかにした。1)同種が地域ごとに特異的な回遊経路を持ち、群れを成して回遊する、2)ダムで分断された支流において、すでにその回遊行動が著しく制限されている、3)ラオスに計画されたドンサホンダムは同種の重要な回遊経路を分断し、メコンの漁業生産に甚大な影響を及ぼす可能性がある。この結果は、ダム開発の影響に、ある一定の科学的根拠をもって回答を出したと言えるという。

情報源 (独)国立環境研究所 報道発表
機関 (独)国立環境研究所
分野 自然環境
環境総合
キーワード 生物多様性 | 国立環境研究所 | タイ | 漁業 | ダム | 魚類 | メコン川 | 影響評価 | 回遊
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