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 理研など、トポロジカル絶縁体の表面ディラック状態の量子化を実証

発表日:2015.04.14


  理化学研究所、東京大学及び京都大学の共同研究グループは、トポロジカル絶縁体の表面ディラック状態の量子化を実証した。トポロジカル絶縁体は、エネルギーをほとんど使わずに電気伝導が可能なことから、低消費電力素子への応用に向け研究が活発化している。しかし、実際のトポロジカル絶縁体の内部では、結晶欠陥などによってわずかに電流が流れてしまい、表面のディラック状態だけの純粋な電気伝導を取り出すことは難しいとされていた。今回、共同研究グループは、トポロジカル絶縁体の1つ「(Bi0.12Sb0.88)2Te3」の高品質薄膜の作製手法を確立し、内部に電流が流れることがない薄膜の作製に成功した。これを用いて電界効果型トランジスタ構造を作製したところ、ホール抵抗が量子化抵抗値で一定となり、試料に整数量子ホール状態になっていることを確認した。さらに、外部電圧を制御することで、ディラック状態の整数量子ホール状態と絶縁的な状態を電気的に制御できることを示した。この成果は、高速で低消費電力の素子への応用が期待できるという。

情報源 理化学研究所 プレスリリース
東北大学 プレスリリース
機関 理化学研究所 東京大学 東北大学
分野 地球環境
キーワード 省エネルギー | 消費電力 | 理化学研究所 | 東京大学 | 東北大学 | トポロジカル絶縁体 | 量子 | 結晶
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