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 理研、藻類を構成するバイオマス分子種を解析可能な手法を開発

発表日:2015.05.15


  理化学研究所は、プランクトンの細胞を丸ごと計測できる多次元固体NMR(核磁気共鳴)法を使い、藻類を構成するバイオマス分子種の個々のシグナルを同じ試料、同じ装置によって解析可能な手法を開発したと発表した。プランクトンをはじめとする藻類は水圏生態系の物質循環や食物連鎖に深く関与しているため、藻類を構成するバイオマス分子種の解析技術の高度化を図ることが環境科学分野で求められてきた。今回研究チームでは、ユーグレナ(ミドリムシ)を有用プランクトンのモデル試料とし、細胞を丸ごと固体NMRで計測し、バイオマス組成の解析を実施。2次元および3次元固体NMR法のパルス系列を工夫することで、細胞を丸ごと計測しても分子運動性の違いで特定の分子構造情報を含むシグナルを分離することに成功した。これにより、ユーグレナ類の主要な高分子多糖成分である分子種「パラミロン」や、流動性や酸化安定性などの指標となる不飽和脂肪酸をはじめとする有用物質の解析が、同じ試料、同じ装置で可能になることを示したという。

情報源 理化学研究所 プレスリリース
機関 理化学研究所
分野 地球環境
キーワード プランクトン | 物質循環 | バイオマス | 理化学研究所 | 藻類 | NMR | 解析 | ユーグレナ
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