北海道大学の研究グループは、農業害虫のひとつであるナメクジの活動性を予測する手法を提案した。ナメクジの活動性と環境条件の関係は、防除の観点から長年議論されてきたが、未解明な部分が多かった。同研究グループは、円山原始林(札幌市中央区)において、2006年に日本に侵入・定着した外来ナメクジ「マダラコウラナメクジ」の出現個体数を716日間にわたって調査した。また、マダラコウラナメクジの活動性と気象条件の関係について、機械学習の研究を援用した統計モデルを作成し、平年よりも湿度が高く、風速が弱く、降雨量が少ない時に出現する傾向が見出され、平年よりも気温が高く、風速が弱く、降雨量が多く、大気圧が低い日の翌日に多く見られるといった基礎的な知見を得ることに成功した。この調査には一般市民の観察結果が活用されており、市民・行政・研究者のコラボレーション調査の有効性も示唆されたという。