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 国環研など、温暖化に伴うサンゴ分布変化に関する研究成果を公表

発表日:2018.08.21


  国立環境研究所、北海道大学および国立極地研究所は、西日本周辺海域で進行しているサンゴ分布北限の拡大メカニズムなどを解明した。近年、九州から関東の海域において、造礁サンゴ群集の分布が拡大し、海藻藻場の分布が縮小するという現象が生じている。世界各地でこうした生態系の変化(熱帯化)の事例が報告されており、日本近海でもいくつかの要因検討が行われてきた。しかし、未だ実態の解明には至っていなかったため、同グループは文献記録によって日本の温帯に出現する海藻、造礁サンゴ、食害魚類の1950〜2010年代の分布変化を網羅し、さらにBurrowsらのモデル(2014)を発展させて、海水温上昇と海流輸送の効果を組み込んだ拡張モデルを開発した。当該モデルによる解析の結果、1)分布北限の拡大速度を高い精度で再現することが可能となり、2)分布南限の縮小に関する海流輸送の影響が小さいことが明らかとなり、3)海藻とサンゴの分布拡大は気候変化のスピードに追随できていないこと等が示唆されたという。

情報源 国立環境研究所 報道発表
国立極地研究所 研究成果
機関 国立環境研究所 北海道大学 国立極地研究所
分野 地球環境
自然環境
キーワード 国立環境研究所 | 北海道大学 | 海藻 | 国立極地研究所 | 造礁サンゴ | 分布北限 | 分布南限 | 食害魚類 | 海水温上昇 | 海流輸送
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