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 産総研、木質バイオマス糖化（前処理プロセス）の水使用量9割削減を実現

  （国研）産業技術総合研究所は、木質バイオマスからの糖製造において、水の使用量を従来法（水熱処理）の1割程度に抑え、効率的な酵素糖化に導くことができる「前処理プロセス」を考案した。木質バイオマスに由来する糖（グルコース）の製造コスト削減や実用化を巡っては、機器の大型化、加熱・濃縮エネルギーコストおよび廃水処理コスト増加の要因となる水使用量の大幅な削減が課題となっている。今回、従来法よりも高い原料濃度（50%）で焦げ付き等を防止できるバッチ式チューブ反応器と電気炉を用いた加熱試験を行った結果、1)加熱エネルギー量を80%以上削減できることが分かった。また、得られた中間処理物を酵素糖化したところ、2)水使用量の低減に伴う酢酸濃度の上昇により、糖化率90%以上を達成し、3)少ない水で、薬剤処理や粉砕処理、酢酸の投入なども必要とせず、ランニングコストの70%以上削減（試算結果）を通じて、バイオマス由来化成品の開発・普及に貢献が期待できるプロセスであるという。