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 東大など、流れ藻が深海への炭素貯留に寄与することを発見

発表日:2019.03.12


  東京大学大気海洋研究所を含む日・智・仏3大学の共同研究グループは、流れ藻が深海への炭素貯留に寄与することを発見した。藻場を形成する海産大型植物(海藻、海草)は、海洋表層のCO2を吸収・固定した後に沿岸から離脱して「流れ藻」となり、沖合で深海に堆積すると考えられているが、その実態については海域を限定した報告や定性的な研究にとどまっていた。同研究グループは、2008~2010年(春・夏・秋)に行われた海底トロール調査の採集物(東北地方太平洋沖、底深40~1800 m)を調べ、沖合の平坦な海底上に多様な海産大型植物が堆積していることを確認した。また、腐敗の度合いの評価や粒子追跡シミュレーション等により、堆積量に明瞭な季節変化が見られることを解明し、堆積量が多い褐藻の起源藻場と流出時期・流出経路の推定に成功した。流れ藻の継続的な供給(炭素貯留)には定常的な海流が関与しており、植物プランクトンの沈降とは異なる、新たな海洋炭素循環経路の存在を裏付けることができたという。

情報源 東京大学大気海洋研究所 プレスリリース
機関 東京大学大気海洋研究所
分野 地球環境
自然環境
キーワード CO2 | 深海底 | 光合成 | 炭素貯留 | 東京大学大気海洋研究所 | アタカマ大学 | コルシカ・パスカル・パオリ大学 | 流れ藻 | 海産大型植物 | 黒潮続流
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