国内ニュース


 東大、ラン藻の炭化水素生産に関与する酵素(ADO)のアミノ酸配列を改良

発表日:2019.04.22


  東京大学大学院総合文化研究科の研究グループは、ラン藻(シアノバクテリア)の炭化水素生産に関与する酵素「アルデヒド脱ホルミル化オキシゲナーゼ(ADO)」の活性を高める手法を見出し、バイオ燃料の製造に資するADO変異体の開発に成功したと発表した。ラン藻は光合成をする細菌で、別の酵素が生産したアルデヒドをADOが触媒し、ディーゼル燃料に相当する炭化水素を生産する(Kudo H, Arai M et al., 2016)。しかし、ラン藻とADOの種類は多く、生産に寄与しているADOの特定や、活性の仕組みについては未解明であった。同研究グループは、10種類のラン藻を選定し、炭化水素収率と可溶性ADOの量を定量化することにより、ADOの活性を測定した。その結果、種によってADOのアミノ酸配列が異なることが認められ、活性の低いADOの非保存性残基を置換して活性の高い配列に改良することができた。置換する場所を変えて変異体を作製したところ、20個の変異体で酵素活性の向上が認められ、活性と可溶性タンパク質産生能を併せ持つ酵素設計(変異体生成)の実現可能性が示唆されたという。

情報源 東京大学 プレスリリース
機関 東京大学
分野 地球環境
キーワード バイオ燃料 | 東京大学 | 酵素 | シアノバクテリア | ラン藻 | 大学院総合文化研究科 | 炭化水素生産 | アルデヒド脱ホルミル化オキシゲナーゼ | ADO
関連ニュース

関連する環境技術