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 産総研、水処理に関与する微生物の新たな解析手法を開発

発表日:2019.05.14


  (国研)産業技術総合研究所は、水処理システム(活性汚泥法)に関与する微生物群の反応メカニズム解明につながる、新たな解析手法を開発したと発表した。活性汚泥は数1,000種以上で構成される複雑な微生物群で、水処理反応については未解明な部分が多く、実際の水処理プロセスは管理者の経験などによって運用されている。同研究グループは、微生物の遺伝的な多様性を評価する手法と、微生物種の網羅的な解析手法(メタトランスクリプトーム解析法)を考案し、パイロットスケールの活性汚泥リアクターを用いて、廃水中の重油分解に関する実証試験を行った。その結果、1)多種類の微生物が介在する複雑多様な代謝経路のなかから、重油分解に特化した反応を抽出することが可能となり、2)重油分解性能を左右しているのは重油分解菌そのものではなく、重油分解菌にエネルギー源を供給するごく僅かの硝化細菌であることが明らかとなった。水処理システムの改善のみならず、他の微生物反応メカニズム解明のツールとなり得るという。

情報源 産総研 研究成果一覧
機関 産業技術総合研究所
分野 水・土壌環境
キーワード 水処理 | 活性汚泥 | 硝化細菌 | 産総研 | 分解性能 | 水処理メカニズム | メタトランスクリプトーム解析 | 活性汚泥リアクター
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