(独)国立科学博物館、福井工業大学などが中心となる国際研究チームは、動物や植物など真核生物の共通の祖先が、摂取したクロロフィル(葉緑素)を無毒化する仕組みを共有していることを発見した。光合成に不可欠な色素であるクロロフィルは、「光毒性(光と酸素の存在下で活性酸素を発生させる作用)」を持つことが知られているが、体内に取り込んだクロロフィルを無毒化する仕組みについては解明されていなかった。同国際研究チームは、真核生物が、1)細胞内に取り込んだクロロフィルを活性酸素が発生しない安全な物質「CPE(シクロフェオフォルバイドエノール)」に転換することを発見し、2)ほとんどすべての系統群でCPEをつくる能力が存在していることを明らかにした。また、これらのことから3)約6億年前の地球で藻類が繁栄し、クロロフィルを無毒化してそれら藻類を食すことができる仕組みを有する真核生物が台頭し、現在に続く多様な真核生物の礎になったと考えられるという。
情報源 |
国立科学博物館 プレスリリース(PDF)
国立環境研究所 新着情報 |
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機関 | 国立科学博物館 福井工業大学 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 藻類 | 国立科学博物館 | 葉緑素 | 福井工業大学 | クロロフィル | 光毒性 | CPE | シクロフェオフォルバイドエノール | 真核生物 |
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