近大など、生物間相互作用を考慮した総合的な農薬毒性研究の成果を発表

発表日:2019.08.07

近畿大学は、佐賀大学、シドニー大学および国立環境研究所の研究グループとともに、水田生態系における昆虫と植物の関係を踏まえて、生物に対する農薬の影響を総合的に評価した。近年、アキアカネをはじめとするトンボ類の減少が顕著となっており、ネオニコチノイド系殺虫剤の施用などが問題視されている。同研究グループは、農薬毒性研究において手つかずであった「除草剤の間接影響」に着目し、除草剤散布処理区と無処理区を設けた模擬生態系試験(メソコズム試験)を行い、「影響の大きさ」に係る指標値(処理区と無処理区における生息密度の対数比)を算出し、トンボ類の幼虫(通称:ヤゴ)の「生活圏(ハビタット)選好性」に基づく比較検討を行った。その結果、ヤゴ(全種)の密度に対する除草剤の影響は認められなかったが、水草につかまる種は減少し、水底にひそむ種は増加するといった生物相の変化が確認された。直接影響のみならず、間接影響も加味した農薬リスク評価や影響予測の理論構築につながる知見を得たという。

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