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 JAMSTECと東大、瀬戸内海の長期的・平均的な流れが潮汐で抑制されることを解明

発表日:2019.09.09


  (国研)海洋研究開発機構と東京大学大気海洋研究所の研究グループは、瀬戸内海の長期的・平均的な流れ(通過流)が潮汐で抑制されることを解明するとともに、東向きに流れている可能性があることを示した。瀬戸内海は外洋との出入口が限られた閉鎖的な海域であるため、栄養塩や汚染物質が長くとどまり、赤潮や油の流出による深刻な海洋汚染に苛まれてきた。一方、「鳴門の渦潮」をはじめとする複雑な潮流を特徴とする海域でもあるため、瀬戸内海における海水交換メカニズムを解明するためには潮流・潮汐の変化を考慮する必要があった。このようなことから、同研究グループは瀬戸内海を水平約500m格子で覆う海洋シミュレーションを用いて、潮汐が通過流に与える影響を評価した。その結果、潮汐は鉛直混合の強化や、複雑な渦の生成により通過流を抑制することが明らかになり、海面水位差から予想される通り通過流は「東向き」であることが示唆された。過去の観測研究では西向きとされてきたが、潮流により生じる複雑な渦を考慮していなかったため食い違いが生じた可能性があるという。

情報源 海洋研究開発機構 プレスリリース
東京大学大気海洋研究所 研究成果
機関 海洋研究開発機構 東京大学大気海洋研究所
分野 地球環境
水・土壌環境
キーワード 海洋研究開発機構 | 海洋汚染 | 瀬戸内海 | 赤潮 | JAMSTEC | 東京大学大気海洋研究所 | 潮流 | 鉛直混合 | 通過流 | 潮汐
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