国内ニュース


 北大など、流氷の生み出す生物生産性を「鉄分」の大きさごとに評価

発表日:2020.04.02


  北海道大学とタスマニア大学の研究グループは、オホーツク海の流氷は栄養物質を運び、豊かな生態系を支えていることを実験的に検証した。北海道大学低温科学研究所は、海氷から溶出した微量金属の動態に関する研究の一環として、環オホーツク海における栄養塩の濃度変化や、海氷の融解過程における植物プランクトンの大増殖(春季ブルーム)と「鉄分」の関与解明に係る観測研究の成果を報告している(Nishioka, J. et al., 2013)。今回、植物プランクトンに利用されている「鉄分」に関する理解を深化させるために、同研究グループは、「クリーン」な環境下で低濃度の鉄分をろ過する手法を考案した。オホーツク海で採取した流氷の「鉄分」粒子や、植物プランクトン増殖の変化などをモニタリングした結果、1)流氷には0.2 μm以上の粒子状の「鉄分」が99%以上(全鉄分ベース)存在しており、2)それらは海洋に起源を持つ生物由来の粒子で、3)コロイド状になったり、溶存鉄になりづらく、4)少なくとも9日間以上、植物プランクトンの増殖に寄与していることが示されたという。

情報源 北海道大学 新着情報
機関 北海道大学 タスマニア大学
分野 自然環境
キーワード 生態系 | 栄養塩 | 海氷 | 微量金属 | 植物プランクトン | オホーツク海 | 鉄分 | 粒子状 | コロイド状 | 溶存鉄
関連ニュース

関連する環境技術