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 (独)産業技術総合研究所、土壌中のセシウムを低濃度の酸で抽出することに成功

発表日:2011.08.31


  (独)産業技術総合研究所ナノシステム研究部門は、土壌中のセシウムを低濃度の酸水溶液中に抽出する技術を開発した。抽出したセシウムを吸着材で回収することで、放射性廃棄物の総量を大幅に減らすことが期待されるという。これまで、高濃度の酸を用いて土壌から放射性セシウムを抽出できることは知られていたが、取り扱いが難しいことや、抽出した放射性セシウムを吸着材で回収する際の効率が悪い、酸の再利用が困難でコストが高い、など多くの問題があった。同研究所は今回、土壌の重量に対して用いる酸水溶液の重量比(固液比)を上げ、200℃の高温で処理することで、大半のセシウムイオンを低濃度の酸水溶液中に抽出することに成功。さらに、抽出したセシウムイオンを土壌の1/150の重量のプルシアンブルーナノ粒子吸着材で回収することができた。また、土壌からの抽出と、吸着材による回収を組み合わせることで、より効率的に抽出できることも見いだした。今後、福島県をはじめ各地の汚染土壌などの除染を進めるべく、協力企業を募り、実証試験を進めていく予定という。

情報源 (独)産業技術総合研究所 プレスリリース
機関 (独)産業技術総合研究所
分野 健康・化学物質
水・土壌環境
キーワード 産業技術総合研究所 | 汚染土壌 | 吸着剤 | 福島県 | 低濃度 | 福島第一原子力発電所 | 放射性セシウム | プルシアンブルー | 酸 | 抽出
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