東京大学、セルロース系バイオマスの酵素分解における「渋滞」現象を発見、高度利用に向け重要な知見

発表日:2011.09.02

東京大学大学院農学生命科学研究科は、セルロースを分解する酵素(セルラーゼ)分子が、セルロース表面で「渋滞」を起こすことで分解効率を下げている様子を、高速原子間力顕微鏡によって直接観察することに成功したと発表した。この研究成果は、セルロース系バイオマスから液体燃料やプラスチック原料を高効率に生産するシステムの構築に重要な指針を与えるという。植物の細胞壁の約半分を占めるセルロースは、グルコース(ブドウ糖)が直鎖状につながった多糖で、地球上で最も豊富に存在する有機物であることから、再生可能な生物資源(バイオマス)としての利用が望まれている。しかし、セルロースを人工的に分解するには、強酸や高温、高圧等の過酷な条件下で膨大なエネルギーが必要となり、また、自然界に存在する酵素(セルラーゼ)によって常温、常圧下で分解する方法もあるが、その反応速度の遅さが問題となっている。今回の研究で明らかになった「渋滞」現象は、今後、セルロース系バイオマスの高度利用に向けて、セルロース分解酵素が「渋滞」しない反応プロセスをいかに構築できるかが重要であることを示しているという。

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