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 東京大学、飲食物由来の放射性ヨウ素及びセシウムによる東京都民への曝露量と発がんリスクを推定

発表日:2012.03.12


  東京大学の沖 大幹教授と村上 道夫特任講師の研究チームは、福島原子力発電所の事故で放出された放射性ヨウ素及び放射性セシウムについて、東京都民における飲食物由来の曝露量と発がんリスクを推定した。この研究では、食品や水道水中の放射性物質濃度を、地域別・日別・飲食物グループ別に分類し、各地域から東京への飲食物の入荷量、年齢別の各飲食物の平均摂取量と線量係数を考慮することで、東京都民への曝露量を定量化。その上で、出荷制限や乳児への飲料水配布等の対策による曝露量の削減効果や、曝露に伴う発がんリスクの推定を行った。その結果、対策を実施した際の放射性セシウムと放射性ヨウ素の合計実効線量(年間)は、成人で18μSv、幼児で42μSv、乳児で48μSvであり、対策による低減効果はそれぞれ29%、34%、44%であった。また、これらの値を飲食物由来の自然放射性カリウム40の年間曝露量と比べると、数分の1から10分の1程度であった。さらに、1年間の曝露により生じる生涯発がんリスクを比較すると、飲食物由来の放射性物質のリスクは、環境中のディーゼル車排出粒子のリスクよりも低く、ベンゼンのリスクよりも高いレベルであったという。

情報源 (独)科学技術振興機構(JST) 共同発表
機関 (独)科学技術振興機構(JST)
分野 健康・化学物質
キーワード 東京都 | 科学技術振興機構 | 東京大学 | JST | 放射性ヨウ素 | 放射性セシウム | 曝露量 | 福島原子力発電所 | 飲食物 | 発がんリスク
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