環境法令ガイド

土壌汚染対策法

(平成十四年五月二十九日法律第五十三号)

  本法の目的条項では、(1)土壌の特定有害物質による汚染の状況の把握に関する措置を定めること、(2)その汚染による人の健康に係る被害の防止に関する措置を定めること、等により、土壌汚染対策の実施を図る、と記されている。平成14年(2002年)公布。(e-Govで条文を見る

法律の正式名称・略称

  • 土壌汚染対策法

平成14年5月29日公布(平成十四年五月二十九日法律第五十三号)
平成21年4月24日最終改正(平成二十一年四月二十四日法律第二十三号)
※ [平成22年5月10日現在]

目的

 土壌の特定有害物質による汚染の状況の把握に関する措置及びその汚染による人の健康に係る被害の防止に関する措置を定めること等により、土壌汚染対策の実施を図ること。

法の大まかな全体像把握のための基本構造図解

背景・経緯

 土壌が有害な物質に汚染されると、その汚染土壌を直接摂取したり、汚染土壌から溶出した有害な化学物質を含む地下水を飲用したりすること等により人の健康に悪影響を及ぼすおそれがある(参考文献3)。日本初の公害問題である明治期の足尾銅山鉱毒事件や、昭和30年代、富山県の神通川下流域のカドミウム汚染によるイタイイタイ病などは有名な土壌汚染例であるが、これらは鉱物の採掘所からの廃水中に含まれていた有害化学物質が河川に流入し、下流域の農用地等を汚染した結果、その農作業に従事した農民や汚染された農作物を摂取した人々などの健康被害を引き起こしたものである。

 こうしたカドミウム米をめぐる社会不安、足尾銅山鉱毒事件以来の銅による農作物生育障害の問題等に対処するため、昭和45年(1970年)の公害国会は、公害対策基本法の典型公害に土壌の汚染を追加するとともに、「農用地の土壌の汚染防止等に関する法律」を制定した。これが、わが国の土壌汚染に関する法制の始まりである(参考文献4(1))

 平成3年(1991年)土壌の環境基準の設定、平成8年(1996年)水質汚濁防止法の改正、平成11年(1999年)ダイオキシン類対策特別措置法の制定等、土壌に関連するいくつかの制度が整備される中(参考文献4(2))、工場跡地の再開発・売却の増加、自主的な汚染調査を行う事業者の増加、自治体における地下水の常時監視の体制整備に伴い、市街地等の土壌汚染事例の判明件数が急激に増加し、健康影響の懸念や対策の確立への社会的要請が強まった。これらを踏まえ、土壌汚染の状況の調査、及びその汚染による人の健康被害の防止措置等について定める土壌汚染対策法(平成14年法律第53号)が制定された(参考文献5)

 その後、土壌汚染対策法に基づかない調査による土壌汚染の発見の増加、掘削除去対策の過剰な採用の増加がもたらす土地所有者等への過度な経済的負担問題及び汚染土壌の不適切な処理問題等が浮上してきたことから、健康被害の防止という旧法の目的を継承しつつ、土壌汚染の状況把握のための制度拡充(一定の規模以上の土地形質変更時の届出の義務化)、規制対象区域の分類等による講ずべき措置の内容の明確化、汚染された土壌の適正処理の確保に関する規定の新設等を加え(参考文献6)、平成21年(2009年)4月に同法が改正され、平成22年(2010年)4月1日に施行された。

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