環境法令ガイド

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法/廃棄物処理法)
Waste Management and Public Cleansing Law

法律のあらまし

国民生活の向上や、産業活動の拡大によって、排出される廃棄物の量の増大および質の多様化が問題となりました。1970年11月の第64回国会(通称:公害国会)において、公害関係法令の抜本的な整備の一環として、廃棄物の処理および清掃に関する法律(廃掃法)が制定されました。

■総則(第1条~第5条の8)
・定義(第2条1項)
・一般廃棄物(第6条~第10条)
・一般廃棄物処理業(第7条)
・事業者の責務(第11条)
■産業廃棄物(第11条~第15条の4の7)
・産業廃棄物管理票(第12条の3)
■廃棄物処理センター(第15条の5~第15条の16)
■廃棄物が地下にある土地の形質の変更(第15条の17~第15条の19)
■雑 則(第16条~第24条の6)
■罰 則(第25条~第34条)
用語一覧(五十音順:別ウインドウ)
■全条文(e-Gov)
イラストは日本固有植物のガクアジサイ(額紫陽花 Hydrangea macrophylla form. normalis ユキノシタ科アジサイ属 落葉低木)。分布地は本州・四国で、暖地の海岸沿いに自生しています。和名は、花の周りの装飾花の部分を、額縁に見立てたことに由来します。

  わが国では、廃棄物の処理に関して、1900年に汚物清掃法が制定され、1954年に清掃法に引き継がれました。同法では、ごみ、し尿、動物の死体などの「汚物」を衛生的に処理し、生活環境を清潔することにより、公衆衛生の向上を図ることが目的とされていました。


  1970年の「公害国会」において、従来の清掃法の全部改正として、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃掃法/廃棄物処理法)が制定されました。清掃法にはなかった「廃棄物」という新しい概念を作りました (条文解説「2条」参照)。また、目的に、公衆衛生の向上に加えて、「生活環境の保全」が追加されました。


  廃掃法の下では、廃棄物は一般廃棄物と産業廃棄物に分類され、それぞれの処理体系が整備されています。廃棄物の「処理」とは、廃棄物が発生してから最終的に捨てられるまでの行為を指し、分別、保管、収集、運搬、再生、処分等を含んでいます(廃掃法1条)。処理の一部である「処分」には、廃棄物を最終的に自然界に捨てる「最終処分」(埋立処分と海洋投入処分を含む)と、最終処分前の段階で廃棄物を生活環境の保全上問題がない状態に変化させる「中間処理」があります。


  一般廃棄物の処理責任は市町村にあります。一般廃棄物の収集・運搬・処分を業とする者には市町村長の許可、一般廃棄物処理施設の設置には都道府県知事の許可が必要です。 一方で、産業廃棄物の処理責任は排出事業者にあります。これは、「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない」(廃掃法3条)という、排出事業者責任の原則に基づいています。排出事業者責任は、汚染者負担原則(⇒環境基本法の用語解説参照)に基づいた考え方です。産業廃棄物の収集・運搬・処分を業とする者には都道府県知事の許可、産業廃棄物処分場の設置には都道府県知事の許可が必要です。


  廃掃法は、社会情勢の変化に応じて、何度も改正され、今日に至っています(最終改正2015年)。常に問題視されてきたのは、不法投棄や不適正処理の取扱いです。廃掃法は、「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」(廃掃法16条)と定めており、みだりに、すなわち、生活環境の保全および公衆衛生の向上を図るという法の趣旨に照らして社会的に許されずに、廃棄物を捨てる行為が不法投棄に当たることを明文化しています。また、産業廃棄物の収集・運搬・処分や処理施設の維持管理を法令の定める基準通りに行わないものが不適正処理になるとしており、こうした観点からの法改正が繰り返しなされてきました。


定義(第2条第1項)

廃掃法の下には、「廃棄物」とは何かという大きな問題があります。
 
 
 
 
廃掃法2条1項にある廃棄物の定義である「不要物」の解釈・判断が長年にわたって変化し、議論が積み重ねられています。

  廃棄物とは、「ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物または不要物であって、固形状または液状のもの(放射性物質およびこれによって汚染された物を除く)をいう」と定義されています(廃掃法2条1項)。条文にある、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体は、「汚物または不要物」の例として挙げられたものです。これだけでなく、「汚物または不要物」にあてはまるものはすべて廃棄物になります。


  この定義のうち、「汚物」は物の性質を表した表現ではないため、「不要物」かどうかの判断の仕方・捉え方が廃棄物とは何かに関係してきます。廃棄物の定義を巡っては変遷があり、厚生省・環境省の通知や裁判例が積み重ねられてきました。

 

  はじめは、1971年の厚生省通知(「廃棄物の処理及び清掃に関する法律の運用に伴う留意事項について」昭和46年環整45号)、廃棄物は、客観的に汚物または不要物として観念できる物であって、占有者の意思の有無によって廃棄物または有用物となるものではないと考えられました。しかし、この考え方では、一度廃棄物とされた後は、その後の過程を経てもずっと廃棄物のままになるため、リサイクルの促進が妨げられると考えられ、1977年に通知が改正されました。


  1977年の厚生省通知(昭和52年環計37号)では、廃棄物とは、「占有者が自ら利用し、または他人に有償で売却することができないために不要になった物をいい、これらに該当するか否かは、占有者の意思、その性状等を総合的に勘案すべきものであって、排出された時点で客観的に廃棄物として観念できるものではない」とされ、廃棄物に該当するかどうかは総合的に勘案することになっています。 しかし、このように占有者の主観を考慮することで、他人からは廃棄物としか見えない物であっても、占有者が廃棄物でないと強弁することによって、廃掃法の適用を免れさせるおそれがあります。


  例えば、「豊島(てしま)事件」は、香川県豊島で、放置した産業廃棄物に含まれる自動車破砕残さは金属回収の原料であり廃棄物ではないとする業者の主張を行政が認めた結果、大量の産業廃棄物不法投棄事件となりました。

  占有者の意思を考慮し、性状等を勘案することによって廃棄物かどうかを判断する考え方は現在でも基本的に維持されていますが、豊島事件のような問題から、その後客観的な要素を重視した理解になっています。


大量の有害物質を含んだ産業廃棄物が放置されました。現在、産業廃棄物の撤去作業が行われています。(香川県小豆郡土庄町豊島2011.12撮影)

  1999年に、おからが産業廃棄物にあたるかどうかが最高裁で争われた「おから事件」では、廃棄物は、「自ら利用しまたは他人に有償で譲渡することができないために事業者にとって不要になった物」であり、不要になった物に該当するかどうかは、①その物の性状、②排出の状況、③通常の取り扱い形態、④取引価値の有無、⑤事業者の意思等を総合的に勘案して決するのが相当であるとしました(最高裁平成11年3月10日決定・刑集第53巻3号339頁)。


  また、占有者の意思について、2000年には、環境省通知(「野積みされた使用済みタイヤの適正処理について」平成12年衛環65号)で、(1)占有者の意思とは、客観的要素からみて社会通念上合理的に認定し得る占有者の意思であることとし、(2)占有者において自ら利用し、または他人に有償で売却することができるものであるとの認識がなされている場合には、占有者にこれらの事情を客観的に明らかにさせるなどして、社会通念上合理的に認定し得る占有者の意思を判断すること、とされました。


  現在では、廃棄物に該当するかどうかについて、上記の①~④の要素を重視しながらも、占有者の意思をあまり重視せず、総合的な判断をしつつも客観化が図られています。


(定義)
第2条 この法律において「廃棄物」とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによつて汚染された物を除く。)をいう。

一般廃棄物処理業(第7条)

一般廃棄物の収集・運搬・処分を業として行おうとする者は、市町村から許可を受けなければなりません。
 
 
 
 

  一般廃棄物の処理責任は市町村にあるため、市町村は、一般廃棄物処理計画に従って、自ら直営でまたは委託をして、その区域内の一般廃棄物を収集、運搬、処分を行います(廃掃法6条の2)。


  市町村の委託を受けて一般廃棄物処理業を行う者、すなわち、一般廃棄物の収集・運搬を業として行おうとする者と一般廃棄物の処分を業として行おうとする者はそれぞれ、市町村長から許可を受けなければなりません(廃掃法7条1項・6項)。一般廃棄物処理業(収集・運搬業、処分業)の許可の更新期間は2年とされています(廃掃法施行令4条の5、4条の8)。一般廃棄物処理業者は、その処理を別の者に再委託することは認められません(廃掃法7条14項)。また、一般廃棄物処理業の事業の範囲を変更するにあたっては変更許可が必要となります(廃掃法7条の2)


  一方、市町村が一般廃棄物処理業の許可をするには、次の要件が挙げられています(廃掃法7条5項・10項)。
① 当該市町村による一般廃棄物の収集・運搬・処分が困難であること
② 申請内容が一般廃棄物処理計画に適合するものであること
③ 事業を行う施設と申請者の能力が、事業を行うのに足りるとして認める基準に適合すること
④ 欠格要件に該当しないこと


  ④ の欠格要件は、暴力団の排除、不正・不誠実な行為をするおそれがないことなどの観点で定められています。例えば、申請者が、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることができなくなった日から5年を経過しない者であったり、刑法や暴力行為処罰法の罪を犯し罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることができなくなった日から5年を経過しない者であったり、業務に関し不正または不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる十分な理由がある者であったりすることです(廃掃法7条5項4号)。


  これら欠格要件に該当するときや、違反行為が行われ特に情状が重いとき等の場合には、許可権者は必ず一般廃棄物処理業の許可を取り消さなければならないとされています(廃掃法7条の4)。この許可の取り消しは行政への義務づけになっています。


  また、一般廃棄物処理業の許可には「特例」が認められています。以下3つの特例は、リサイクルのための規制緩和となっています。


  第一に、「業」の許可の特例制度です。もっぱら再生利用の目的となる一般廃棄物のみ(専ら(もっぱら)物(ぶつ)といわれる、古紙・くず鉄・あきびん類・繊維の4種)の収集・運搬・処分を業として行う者は、許可を要しないとされています(廃掃法7条1項但書き・6項但書き)


  第二に、廃掃法1997年改正時に導入された、「再生利用認定制度」があります。廃棄物の減量化を推進するため、環境省令で定める一般廃棄物の再生利用を行いまたは行おうとする者は、生活環境の保全上支障がない等の一定の要件に該当するものとして環境大臣の認定を受ければ、許可を要しないとされています(廃掃法9条の8第1項)

  第三に、廃掃法2003年改正時に導入された、「広域認定制度」があります。拡大生産者責任に基づく広域的なリサイクル等の推進のため、環境大臣が認定した者は、許可を要しないとされます(廃掃法9条の9)


ごみ収集車とリサイクル推進のために設置されている地方自治体のリサイクルセンター

- 第7条抜すい -

(一般廃棄物処理業)

第7条 一般廃棄物の収集又は運搬を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域(運搬のみを業として行う場合にあっては、一般廃棄物の積卸しを行う区域に限る。)を管轄する市町村長の許可を受けなければならない。ただし、事業者(自らその一般廃棄物を運搬する場合に限る。)、専ら再生利用の目的となる一般廃棄物のみの収集又は運搬を業として行う者その他環境省令で定める者については、この限りでない。


2 前項の許可は、1年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。


3 前項の更新の申請があつた場合において、同項の期間(以下この項及び次項において「許可の有効期間」という。)の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の許可は、許可の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。


4 前項の場合において、許可の更新がされたときは、その許可の有効期間は、従前の許可の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。


5 市町村長は、第1項の許可の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
一 当該市町村による一般廃棄物の収集又は運搬が困難であること。
二 その申請の内容が一般廃棄物処理計画に適合するものであること。
三 その事業の用に供する施設及び申請者の能力がその事業を的確に、かつ、継続して行うに足りるものとして環境省令で定める基準に適合するものであること。
四 申請者が次のいずれにも該当しないこと。
イ 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
ロ 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から5年を経過しない者
ハ この法律、浄化槽法(昭和58年法律第43号)(e-Gov)その他生活環境の保全を目的とする法令で政令で定めるもの若しくはこれらの法令に基づく処分若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号。第32条の3第7項及び第32条の11第1項を除く。)の規定に違反し、又は刑法(明治40年法律第45号)第204条、第206条、第208条、第208条の2、第222条若しくは第247条の罪若しくは暴力行為等処罰ニ関スル法律(大正15年法律第60号)の罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から5年を経過しない者
ニ 第7条の4第1項(第4号に係る部分を除く。)若しくは第2項若しくは第14条の3の2第1項(第4号に係る部分を除く。)若しくは第2項(これらの規定を第14条の6において読み替えて準用する 場合を含む。)又は浄化槽法第41条第2項の規定により許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者(当該許可を取り消された者が法人である場合(第7条の4第1項第3号又は第14条の3の2第1項第3号(第14条の6において準用する場合を含む。)に該当することにより許可が取り消された場合を除く。)においては、当該取消しの処分に係る行政手続法(平成5年法律第88号)第15条の規定による通知があつた日前60日以内に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下この号、第8条の5第6項及び第14条第5項第2号ニにおいて同じ。)であつた者で当該取消しの日から5年を経過しないものを含む。)
ホ 第7条の4若しくは第14条の3の2(第14条の6において読み替えて準用する場合を含む。)又は浄化槽法第41条第2項の規定による許可の取消しの処分に係る行政手続法第15条の規定による通知があつた日から当該処分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に次条第3項(第14条の2第3項及び第14条の5第3項において読み替えて準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定による一般廃棄物若しくは産業廃棄物の収集若しくは運搬若しくは処分(再生することを含む。)の事業のいずれかの事業の全部の廃止の届出又は浄化槽法第38条第5号に該当する旨の同条の規定による届出をした者(当該事業の廃止について相当の理由がある者を除く。)で、当該届出の日から5年を経過しないもの
ヘ ホに規定する期間内に次条第3項の規定による一般廃棄物若しくは産業廃棄物の収集若しくは運搬若しくは処分の事業のいずれかの事業の全部の廃止の届出又は浄化槽法第38条第5号に該当する旨の同条の規定による届出があつた場合において、ホの通知の日前60日以内に当該届出に係る法人(当該事業の廃止について相当の理由がある法人を除く。)の役員若しくは政令で定める使用人であつた者又は当該届出に係る個人(当該事業の廃止について相当の理由がある者を除く。)の政令で定める使用人であつた者で、当該届出の日から5年を経過しないもの
ト その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者 チ 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人(法定代理人が法人である場合においては、その役員を含む。第14条第5項第2号ハにおいて同じ。)がイからトまでのいずれかに該当するもの
リ 法人でその役員又は政令で定める使用人のうちにイからトまでのいずれかに該当する者のあるもの
ヌ 個人で政令で定める使用人のうちにイからトまでのいずれかに該当する者のあるもの

6 一般廃棄物の処分を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域を管轄する市町村長の許可を受けなければならない。ただし、事業者(自らその一般廃棄物を処分する場合に限る。)、専ら再生利用の目的となる一般廃棄物のみの処分を業として行う者その他環境省令で定める者については、この限りでない。


7 前項の許可は、1年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。


8 前項の更新の申請があつた場合において、同項の期間(以下この項及び次項において「許可の有効期間」という。)の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の許可は、許可の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。


9 前項の場合において、許可の更新がされたときは、その許可の有効期間は、従前の許可の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。


10 市町村長は、第6項の許可の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。 一 当該市町村による一般廃棄物の処分か困難であること。
二 その申請の内容が一般廃棄物処理計画に適合するものであること。
三 その事業の用に供する施設及び申請者の能力がその事業を的確に、かつ、継続して行うに足りるものとして環境省令で定める基準に適合するものであること。
四 申請者が第3項第4号イからチまでのいずれにも該当しないこと。


11 第1項又は第6項の許可には、一般廃棄物の収集を行うことができる区域を定め、又は生活環境の保全上必要な条件を付することができる。


12 第1項の許可を受けた者(以下「一般廃棄物収集運搬業者」という。)及び第6項の許可を受けた者(以下「一般廃棄物処分業者」という。)は、一般廃棄物の収集及び運搬並びに処分につき、当該市町村が地方自治法(昭和22年法律第67号)第228条第1項の規定により条例で定める収集及び運搬並びに処分に関する手数料の額に相当する額を超える料金を受けてはならない。


13 一般廃棄物収集運搬業者又は一般廃棄物処分業者は、一般廃棄物処理基準(特別管理一般廃棄物にあつては、特別管理一般廃棄物処理基準)に従い、一般廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を行わなければならない。


14 一般廃棄物収集運搬業者は、一般廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を、一般廃棄物処分業者は、一般廃棄物の処分を、それぞれ他人に委託してはならない。


15 一般廃棄物収集運搬業者及び一般廃棄物処分業者は、帳簿を備え、一般廃棄物の処理について環境省令で定める事項を記載しなければならない。


産業廃棄物管理票(第12条の3)

産業廃棄物は排出事業者の自己処理が原則とされています。
 
 
 
 
 
他人に委託することも認められています。その場合には、産業廃棄物の収集・運搬・処分の流れを確認するために「産業廃棄物管理票制度(マニフェスト制度)」が採用されています。

  産業廃棄物は排出事業者の自己処理が原則とされています(廃掃法12条1項)。一方で、排出事業者は、委託基準に従って処理を委託することもできます(廃掃法12条6項廃掃法施行令6条の2)。産業廃棄物の処理について、委託基準に従った上で、産業廃棄物の収集・運搬の許可を受けた者、産業廃棄物の処分の許可を受けた者に対して委託することが認められています(廃掃法12条5項)


  自社物の処理には処理業の許可は不要ですが、他社物の処理には処理業の許可が必要ということになります。また、他人に委託する場合には、産業廃棄物の収集・運搬・処分の流れを管理するために、産業廃棄物管理票制度(マニフェスト制度)が採用されています。これによって不法投棄を防ぐことができます。


  マニフェスト制度は、排出事業者が産業廃棄物の処理を委託するときに、管理票(マニフェスト)に産業廃棄物の種類・数量、運搬業者名、処分業者名などを記入し、処理の流れを確認するものです。7枚複写式の紙マニフェストと、電子マニフェストがあり、近年では電子マニフェストの活用が増えています。マニフェスト制度の大まかな流れは、下図のようになっています(廃掃法12条の3、および廃掃法施行規則(e-Gov)8条の20~8条の30の2参照)。


マニフェスト制度の大まかな流れ
(全国産業廃棄連合合会ホームページより修正して引用)

  電子マニフェストの場合、(公財)日本産業廃棄物処理振興センターが指定された情報処理センターとして一元的に管理します(廃掃法12条の513条の2)。一方、紙マニフェストの場合、処理に関与する者が、下図のようにマニフェストを管理します。


マニフェストの流れ(紙マニフェスト)

(全国産業廃棄物処理振興センターホームページ修正して引用)

  まず、排出事業者は、管理票を記入し、産業廃棄物の引渡しと同時に収集運搬業者に交付します。排出事業者は、管理票交付者として、この写しを5年間保存しなければなりません。


  次に、産業廃棄物と管理票を受け取った収集運搬業者(運搬受託者)は、処分を委託するために運搬を終了した後10日以内に、この管理票に運搬を担当した者の氏名や運搬終了日などを記載し、排出事業者(管理票交付者)に送付しなければなりません。


  続いて、収集運搬業者(運搬受託者)から産業廃棄物と管理票を受け取った処分業者(処分受託者)は、中間処理(用語解説「処分」参照)または最終処分(用語解説「処分」参照)を行います。中間処理業者であるならば、処分受託者として中間処理を行い、管理票に処分を担当した者の名前や終了日などを記載し、終了後10日以内に排出事業者(管理票交付者)と収集運搬業者(運搬受託者)に送付します。ここまでは、90日以内でなければなりません。


  中間処理業者は、これだけでなく、最終処分を行うために、排出事業者と同様に処分委託者として、運搬処理業者に、中間処理した産業廃棄物の収集運搬を委託し、新たな管理票を送付します。この新たな管理票は中間処理業者が5年間保存します。


  中間処理業者から中間処理した産業廃棄物と新たな管理票を受け取った運搬処理業者(運搬受託者)は、処分を委託するために運搬を終了した後10日以内に、この管理票に運搬を担当した者の氏名や運搬終了日などを記載し、中間処理業者に送付します。


  中間処理業者を介した場合を考えると、最後に、中間処理した産業廃棄物と中間処理業者からの新たな管理票を受け取った最終処分業者(処分受託者)は、最終処分として埋め立てます。管理票に処分を担当した者の名前や終了日と埋め立てた所在地などを記載し、10日以内に中間処理業者と中間処理廃棄物の運搬処理業者に送付します。


  また、中間処理業者は、最終処分者から送付された最終処分が終了した旨のこの管理票を、10日以内に排出事業者(管理票交付者)に送付しなければなりません。排出事業者が委託してから最終処分完了の管理票を受け取るまでは180日以内でなければなりません。


  排出事業者が他人に産業廃棄物の処理を委託する場合には、最終処分が終了した旨の管理票を受け取ることによって適正に処理が完了したことを知ることができます。この最終処分完了の旨の管理票は、5年間保管しなければなりません。また、管理票に関して、都道府県知事に報告書を提出しなければなりません。


7枚複写式の紙マニフェスト

(全国産業廃棄連合会「マニフェストシステムがよくわかる本 平成24年版」より修正して引用)

- 第12条の3 抜すい -

(産業廃棄物管理票)

第12条の3 その事業活動に伴い産業廃棄物を生ずる事業者(中間処理業者を含む。)は、その産業廃棄物(中間処理産業廃棄物を含む。第12条の5第1項において同じ。)の運搬又は処分を他人に委託する場合(環境省令で定める場合を除く。)には、環境省令で定めるところにより、当該委託に係る産業廃棄物の引渡しと同時に当該産業廃棄物の運搬を受託した者(当該委託が産業廃棄物の処分のみに係るものである場合にあつては、その処分を受託した者)に対し、当該委託に係る産業廃棄物の種類及び数量、運搬又は処分を受託した者の氏名又は名称その他環境省令で定める事項を記載した産業廃棄物管理票(以下単に「管理票」という。)を交付しなければならない。


2 前項の規定により管理票を交付した者(以下「管理票交付者」という。)は、当該管理票の写しを当該交付をした日から環境省令で定める期間保存しなければならない。


3 産業廃棄物の運搬を受託した者(以下「運搬受託者」という。)は、当該運搬を終了したときは、第1項の規定により交付された管理票に環境省令で定める事項を記載し、環境省令で定める期間内に、管理票交付者に当該管理票の写しを送付しなければならない。この場合において、当該産業廃棄物について処分を委託された者があるときは、当該処分を委託された者に管理票を回付しなければならない。


4 産業廃棄物の処分を受託した者(以下「処分受託者」という。)は、当該処分を終了したときは、第1項の規定により交付された管理票又は前項後段の規定により回付された管理票に環境省令で定める事項(当該処分が最終処分である場合にあっては、当該環境省令で定める事項及び最終処分が終了した旨)を記載し、環境省令で定める期間内に、当該処分を委託した管理票交付者に当該管理票の写しを送付しなければならない。この場合において、当該管理票が同項後段の規定により回付されたものであるときは、当該回付をした者にも当該管理票の写しを送付しなければならない。


5 処分受託者は、前項前段、この項又は第12条の5第5項の規定により当該処分に係る中間処理産業廃棄物について最終処分が終了した旨が記載された管理票の写しの送付を受けたときは、環境省令で定めるところにより、第1項の規定により交付された管理票又は第3項後段の規定により回付された管理票に最終処分が終了した旨を記載し、環境省令で定める期間内に、当該処分を委託した管理票交付者に当該管理票の写しを送付しなければならない。


6 管理票交付者は、前3項又は第12条の5第5項の規定による管理票の写しの送付を受けたときは、当該運搬又は処分が終了したことを当該管理票の写しにより確認し、かつ、当該管理票の写しを当該送付を受けた日から環境省令で定める期間保存しなければならない。


7 管理票交付者は、環境省令で定めるところにより、当該管理票に関する報告書を作成し、これを都道府県知事に提出しなければならない。


8 管理票交付者は、環境省令で定める期間内に、第3項から第5項まで若しくは第12条の5第5項の規定による管理票の写しの送付を受けないときこれらの規定に規定する事項が記載されていない管理票の写し若しくは虚偽の記載のある管理票の写しの送付を受けたとき、又は第14条第13項若しくは第14条の4第13項の規定による通知を受けたときは、速やかに当該委託に係る産業廃棄物の運搬又は処分の状況を把握するとともに、環境省令で定めるところにより、適切な措置を講じなければならない。


9 運搬受託者は、第3項前段の規定により管理票の写しを送付したとき(同項後段の規定により管理票を回付したときを除く。)は当該管理票を当該送付の日から、第4項後段の規定による管理票の写しの送付を受けたときは当該管理票の写しを当該送付を受けた日から、それぞれ環境省令で定める期間保存しなければならない。


10 処分受託者は、第4項前段、第5項又は第12条の5第5項の規定により管理票の写しを送付したときは、当該管理票を当該送付の日から環境省令で定める期間保存しなければならない。


11 前各項に定めるもののほか、管理票に関し必要な事項は、環境省令で定める。


参考文献など

●参考文献
大塚直『環境法BASIC』(有斐閣、2013年)、大塚直『環境法[第3版]』(有斐閣、2010年)、畠山武道『考えながら学ぶ環境法』(三省堂、2013年)、 阿部泰隆・淡路剛久編『環境法[第4版]』(有斐閣、2011年)