環境法令ガイド

特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律
(外来生物法)
Invasive Alien Species Act

外来生物法は、海外から持ち込まれた指定した外来生物によって生態系、人の生命・身体、農林水産業に被害が生じるのを防ぐことに主眼を置いています。

■総則(第1条~第3条)
■特定外来生物の取扱いに関する規制(第4条~第10条)
飼養等の禁止(第4条)
飼養等の許可(第5条)
輸入の禁止(第7条)
■特定外来生物の防除(第11条~第20条)
主務大臣等による防除(第11条)
主務大臣等以外の者による防除(第18条)
■未判定外来生物(第21条~第24条)
輸入の届出(第21条)
判定(第22条)
輸入の制限(第23条)
■輸入品等の検査等(第24条の2~第24条の4)
■雑則(第25条~第31条)
■罰則(第32条~第36条)
用語一覧(五十音順、別ウインドウ)
■全条文(e-Gov)
●イラストは日本の固有植物カントウタンポポ(関東蒲公英 Taraxacum platycarpum) キク科タンポポ属 多年草)。分布地は本州(茨城~長野、静岡)。 今日、外来種のセイヨウタンポポが旺盛に繁茂し、生育場所が奪われ、希少な存在になりつつあります。

  外来種とは、意図的・非意図的にかかわらず、海外や国内の他の地域から人間の活動によって持ち込まれた生物を指しています。


  1993年に採択された 生物多様性条約 では、締約国が可能な限りかつ適当とみなされる場合に、生態系・生息地・種を脅かす外来種を持ち込むことを防止すること、それを制御し撲滅することが、規定されています(外来生物法8条)。

  2002年の生物多様性条約第6回締約国会議においては、外来種問題への対策として具体的に、「生態系、生息地および種を脅かす外来種の影響の予防、導入、影響緩和のための指針原則」が出されました。外来種問題は、生物多様性条約の制定時から国際的に問題となっていました。わが国でもかねてから外来種問題はその重要性が指摘されており、法律ではない形式で対応がなされてきました。


  このような国内外の経緯があるなか、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」は、2004年に制定され、2005年に施行されました。


  2008年には生物多様性基本法で、外来生物等による被害の防止が規定されました(16条)。2010年には、生物多様性条約第10回締約国会議において 「愛知目標」 が採択されました。その目標の一つとして、「侵略的外来種が制御され、根絶される」という目標が掲げられました(目標9)。これらを機に、外来種への対策は生物多様性保全のために取り組むべき問題として国内外で関心が高まっています。


  また、国内では、2012年から中央環境審議会野生生物部会において、外来生物法の施行状況とそれを踏まえた今後講ずべき必要な措置について審議が行われ、意見具申がなされました。こうした背景から、外来生物法は2013年に改正され、2014年に施行されました。


  外来生物法は、特定外来生物による生態系、人の生命・身体、農林水産業への被害を防止し、生物多様性の確保、人の生命・身体の保護、農林水産業の健全な発展に寄与することを通じて、国民生活の安定向上に資することを目的としています。


  本法は、①特定外来生物の飼養等、輸入、譲渡し等、放出等の規制、②特定外来生物の防除、③未判定外来生物の輸入の規制、④輸入品等の検査・消毒・廃棄が中心となっています。これらの規制に違反した場合には、懲役または罰金に処されます。


  外来生物法が対象とするのは、すべての外来種ではありません。①海外からわが国に人為的に持ち込んだ生物(国境を越えた生物)と、② ①の生物が交雑することによって生じた生物を、「外来生物」としています。その上で、特定外来生物、未判定外来生物、種類名証明書の添付が必要な生物(特定外来生物または未判定外来生物と容易に区別がつく生物以外の生物)と指定された生物が規制対象となります。

* 野生鳥獣被害防止マニュアル
-アライグマ、ヌートリア、キョン、マングース、タイワンリス(特定外来生物編)-
(農林水産省)
第1章"特定外来生物とは何か"の付図を修正して引用

  しかし、現在、外来種による被害への対策は外来生物法だけによって行われているわけではありません。「愛知目標」を受けて、2012年に閣議決定された「生物多様性国家戦略2012-2020」では、防除の優先度の考え方を整理し、計画的な防除等を推進すること、日本の外来種対策全般に関する中期的な総合戦略として行動計画を策定することを国別目標の1つとしました。


  これを受けて、外来生物法の対象となっていない外来種も含めた「我が国の生態系等に被害をおよぼすおそれのある外来種リスト(生態系被害防止外来種リスト)」が作成され、2015年3月には「外来種被害防止行動計画~生物多様性条約・愛知目標の達成に向けて~」が策定されています。


  このように、外来生物法以外によっても外来種による被害への対策は広がっています。


●環境省が掲げたスローガン
外来生物被害予防三原則~侵略的外来生物による被害を予防するために

1.入れない ~ 悪影響をおよぼすかもしれない外来生物をむやみに日本に入れない
2.捨てない ~ 飼っている外来生物を野外に捨てない
3.拡げない ~ 野外にすでにいる外来生物は他域に拡げない

■飼養等の禁止(第4条)、飼養等の許可(第5条)、輸入の禁止(第7条)

特定外来生物の規制について、飼養等、輸入、譲渡し等、放出等は原則禁止され、例外として定められた場合には認められています。
 
 
 
 
特に、飼養等と輸入は、法制定時から原則禁止と細かな例外規定が定められています。

  外来生物法は、特定外来生物の飼養等、輸入、譲渡し等、放出等の規制をしています(外来生物法4条~9条の2)。特に注目すべきは、(1)飼養等の原則禁止(外来生物法4条・5条、外来生物法施行規則2~8条)と、(2)輸入の原則禁止(外来生物法7条)です。


(1)特定外来生物の飼養等

  特定外来生物の「飼養等」とは、特定外来生物の飼養、栽培、保管、運搬を指します。①許可を受けた場合の飼養等と、②防除に係る捕獲等その他主務省令で定めるやむを得ない事由がある場合の飼養等以外は、禁止されています。この2つの場合は例外として飼養等が認められます。


  飼養等が認められる例外の1つである①許可を受けた場合について、飼養等の許可が与えられうるのは、学術研究の目的や、博物館や動物園における展示、教育、生業の維持などの目的、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止や公益上の必要があると認められる目的で特定外来生物の飼養等をしようとする者です。


  これらの者は、特定外来種の種類と数量、飼養等する目的、「特定飼養等施設」、管理方法などを記載した許可の申請書を提出し、許可基準を満たすとして認められれば、主務大臣から許可証が交付されます。飼養等が目的に適合すること、施設を有しているなど適正な管理がなされることが条件となっています。


  「特定飼養等施設」とは当該特定外来生物の性質に応じて主務省令で定める、次に掲げる基準に適合する施設を指しています。


(イ)特定外来生物の種類に応じて、逸出を防止できる構造および強度
(ロ)人の生命・身体に係る被害をおよぼし、またはおよぼすおそれがある特定外来生物について、その取扱者以外の者が容易に当該特定外来生物に触れるおそれがない構造および強度
(ハ)上記(イ)(ハ)のほか、基準の細目は主務大臣が「告示」で定める。

  (ハ)の告示には、「環境大臣及び農林水産大臣が所掌する特定外来生物に係る特定飼養等施設の基準の細目等を定める件」(平成17年農林水産省・環境省告示第4号、平成25年農林水産省・環境省告示第2号改正現在)、「環境大臣が所掌する特定外来生物に係る特定飼養等施設の基準の細目等を定める件」(平成17年環境省告示第42号、平成27年環境省告示第114号改正・平成27年10月1日施行現在)があります。


  飼養等が認められる例外のもう1つについて、②防除に係る捕獲等のほかに、飼養等が認められるやむを得ない事由は、非常災害に対する必要な応急措置としての行為に伴って行う場合などです(外来生物法施行規則2条)。


  また、飼育等の許可を受けた者は、許可に係る飼育等をするにあたって、特定施設等施設の定期的な点検と、当該特定外来生物が許可を受けていることを明らかにするために個体識別措置を講じる義務づけが課されています(外来生物法5条4項、 外来生物法施行規則8条 )。個体識別措置には、マイクロチップの埋込み、タグの取り付け、標識や写真の掲示があります。


(2)特定外来生物の輸入

  特定外来生物の輸入は原則禁止されています。ただし、上述したように、学術研究の目的や、博物館や動物園における展示、教育、生業の維持などの目的、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止や公益上の必要があると認められる目的で、特定外来生物の飼養等をしようとする者が、飼養等の許可を受けた場合には、特定外来生物の輸入は認められます。飼養等の許可を有していることが、特定外来生物の輸入の前提条件となっています。


  輸入にあたっては、税関で、飼養等の許可証と生物の種類名と数量が記載された輸入のための証明書(種類名証明書) を提出することが必要となります。また、輸入できるのは、成田国際空港、中部国際空港、関西国際空港、福岡空港に限られています(外来生物法25条、 外来生物法施行規則30~32条)。

* 外来生物法の概要(環境省)"どのようなことが規制されるの?"
飼育・栽培の図等を修正して引用

(飼養等の禁止)

第4条 特定外来生物は、飼養等をしてはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一 次条第一項の許可を受けてその許可に係る飼養等をする場合
二 次章の規定による防除に係る捕獲等その他主務省令で定めるやむを得ない事由がある場合

(飼養等の許可)

第5条 学術研究の目的その他主務省令で定める目的で特定外来生物の飼養等をしようとする者は、主務大臣の許可を受けなければならない。

2 前項の許可を受けようとする者は、主務省令で定めるところにより、主務大臣に許可の申請をしなければならない。

3 主務大臣は、前項の申請に係る飼養等について次の各号のいずれかに該当する事由があるときは、第一項の許可をしてはならない。
一 飼養等の目的が第一項に規定する目的に適合しないこと。
二 飼養等をする者が当該特定外来生物の性質に応じて主務省令で定める基準に適合する飼養等施設(以下「特定飼養等施設」という。)を有しないことその他の事由により飼養等に係る特定外来生物を適切に取り扱うことができないと認められること。

4 主務大臣は、第一項の許可をする場合において、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止のため必要があると認めるときは、その必要の限度において、その許可に条件を付することができる。

5 第一項の許可を受けた者は、その許可に係る飼養等をするには、当該特定外来生物に係る特定飼養等施設の点検を定期的に行うこと、当該特定外来生物についてその許可を受けていることを明らかにすることその他の主務省令で定める方法によらなければならない。

(輸入の禁止)

第7条 特定外来生物は、輸入してはならない。ただし、第5条第1項の許可を受けた者がその許可に係る特定外来生物の輸入をする場合は、この限りでない。

■主務大臣等による防除(第11条)、主務大臣以外の者による防除(第18条)

特定外来生物による生態系、人の生命・身体、農林水産業への被害に対して、必要であると判断された場合には当該特定外来生物の防除を行います。
 
 
 
 
国(主務大臣など)のほか、地方公共団体や民間団体が実施します。

  特定外来生物によって、生態系、人の生命・身体、農林水産業にすでに被害が生じているまたは生じるおそれのある場合で、当該被害の発生を防止するために必要であると判断された場合には、当該特定外来生物の防除を行います。防除は、捕獲、採取または殺処分、被害防止措置の実施等を指します。


  防除をするにあたって、主務大臣は、関係都道府県の意見を聴いて、防除の対象となる特定外来生物の種類、防除を行う区域および期間、防除の目標、当該特定外来生物の捕獲、採取、殺処分、防護柵の設置等など防除の内容など必要な事項を定め、公示しなければなりません(外来生物法11条2項、 外来生物法施行規則14~16条 、特定外来生物被害防止基本方針第4,1(3))。


  2015年11月現在、「特定外来生物の防除に関する件」の告示により、アライグマ、オオクチバス(ブラックバス)、カミツキガメ、タイワンハブ、フイリマングース、アルゼンチンアリ、ボタンウキクサなど35種について、特定外来生物の防除の公示がされています。


防除の公示がなされた35種類

フクロギツネ等、ハリネズミ属全種等、マカカ・キュクロピス(タイワンザル)、マカカ・ムラタ(アカゲザル)、ミュオカストル・コィプス(ヌートリア)、カルロスキウルス・エリュトラエウス(クリハラリス)、カニクイアライグマ等、プロキュオン・ロトル(アライグマ)、フイリマングース、ムンティアクス・レエヴェスィ(キョン)、カナダガン等、ケリュドラ・セルペンティナ(カミツキガメ)、アノリス・カロリネンスィス(グリーンアノール)、アノリス・アングスティケプス等、タイワンスジオ、プロトボトロプス・ムクロスカマトゥス(タイワンハブ)、ブフォ・マリヌス(オオヒキガエル)、アカボシヒキガエル等、ウシガエル等、イクタルルス・プンクタトゥス(チャネルキャットフィッシュ)、ノーザンパイク等、カダヤシ等、レポミス・マクロキルス(ブルーギル)、ミクロプテルス・ドロミエウ(コクチバス)、ミクロプテルス・サルモイデス(オオクチバス)、きょくとうさそり科全種等、テナガコガネ属等、セイヨウオオマルハナバチ等、リネピテマ・フミレ(アルゼンチンアリ)、アカカミアリ等、アルテルナンテラ・フィロクセロイデス(ナガエツルノゲイトウ)、ヒュドロコティレ・ラヌンクロイデス(ブラジルチドメグサ)、ボタンウキクサ等、オオキンケイギク等、ギュムノコロニス・スピラントイデス(ミズヒマワリ)。

  特定外来生物被害防止基本方針 では、特定外来生物については、①指定時にすでに野外等に存在する場合、②指定後、野外へ遺棄または逸出等をされることにより、生態系等に被害をおよぼすおそれが生じる場合が考えられることから、必要に応じて特定外来生物の防除を行うこととされています。


  都道府県からの意見を聴いて地域の状況を踏まえること、関係者と連携を図ること、科学的知見に基づくことを重視して、適切に防除を実施することが求められます。また、防除の実施にあたっては、費用対効果や実現可能性の観点からの優先順位を考慮し、効率的かつ効果的に防除を推進することとされています。


  防除の実施主体には、主務大臣および国の関係行政機関の長(外来生物法11条1項)と、地方公共団体および民間団体(NGO)等(外来生物法18条1項・2項、 外来生物法施行規則23~27条) があります。


  特定外来生物被害防止基本方針によると、国は、保全されている地域など全国的な観点から防除を進める優先度の高い地域から防除を進めます。地方公共団体や民間団体等は、地域の生態系等に生じる被害を防止する観点から、地域の事情に精通している者として、公示内容に沿った防除が積極的に進められることが期待されます。


  国が防除を行うと公示した特定外来生物について、地方公共団体が防除を行おうとする場合は、主務大臣の確認を受けることができます。地方公共団体以外の民間団体などが防除を行おうとする場合は、適切かつ確実に実施することができることについて主務大臣の認定を受けることができます。



オオキンケイギクはキク科の多年生草本で、路傍、河川敷、線路際、海岸などに生育します。北アメリカ原産で、特定外来生物の防除が公示されている35種類の1つです。

  被害の状況に応じて採用すべき防除の方法には、「緊急的な防除」と、「計画的な防除」があります(特定外来生物被害防止基本方針第4,2)。


  人の生命・身体に被害をおよぼす特定外来生物が野外で発見された場合、希少な野生生物が多く生息・生育する地域に捕食性または繁殖力が強い特定外来生物が発見された場合等には、「緊急的な防除を実施」することが必要とされます。


  国は関係行政機関または関係地方公共団体と連絡調整の上、速やかに防除の公示を行い、連携を図りつつ防除を実施します。一方、既に広範囲にまん延して生態系等に被害をおよぼし、またはおよぼすおそれがある場合には、優先的に防除を進めるべき地域や手法を考慮し「計画的な防除」を進めることが必要とされます。計画的な防除は、防除の目標、区域、期間、方法、実施体制等を防除の主体ごと、地域ごとに具体的に定めた防除実施計画を策定し、防除開始後もモニタリングを行い、その結果を防除実施計画の見直しに反映するなど柔軟な防除の実施に努めることが必要とされます。


(主務大臣等による防除)

第11条特定外来生物による生態系等に係る被害が生じ、又は生じるおそれがある場合において、当該被害の発生を防止するため必要があるときは、主務大臣及び国の関係行政機関の長(以下「主務大臣等」という。)は、この章の規定により、防除を行うものとする。

2 主務大臣等は、前項の規定による防除をするには、主務省令で定めるところにより、関係都道府県の意見を聴いて、次に掲げる事項を定め、これを公示しなければならない。 一 防除の対象となる特定外来生物の種類 二 防除を行う区域及び期間 三 当該特定外来生物の捕獲、採取若しくは殺処分(以下「捕獲等」という。)又はその防除を目的とする生殖を不能にされた特定外来生物の放出等その他の防除の内容 四 前3号に掲げるもののほか、主務省令で定める事項

(主務大臣等以外の者による防除)

第18条 地方公共団体は、その行う特定外来生物の防除であって第11条第2項の規定により公示された事項に適合するものについて、主務省令で定めるところにより、主務大臣のその旨の確認を受けることができる。

2 国及び地方公共団体以外の者は、その行う特定外来生物の防除について、主務省令で定めるところにより、その者が適正かつ確実に実施することができ、及び第11条第2項の規定により公示された事項に適合している旨の主務大臣の認定を受けることができる。

3 主務大臣は、第1項の確認をしたとき又は前項の認定をしたときは、主務省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。第20条第2項又は第4項の規定によりこれらを取り消したときも、同様とする。

4 第12条の規定は地方公共団体が行う第1項の確認を受けた防除又は国及び地方公共団体以外の者が行う第2項の認定を受けた防除について、第13条から前条までの規定は第1項の確認を受けた防除に関する事務を所掌する地方公共団体について準用する。この場合において、第13条第四項中「官報」とあるのは、「地方公共団体の公報」と読み替えるものとする。

■輸入の届出(第21条)、判定(第22条)、輸入の制限(第23条)

未判定外来生物の規制については、輸入にあたって事前に主務大臣に届出て、生態系等へ被害をおよぼすかどうかの判定を受ける必要があります。
 
 
 
 
判定がなされるまでは、輸入は認められません。

  未判定外来生物を輸入しようとする者は、あらかじめ主務大臣(環境大臣および農林水産大臣)に届け出なければなりません。輸入または本邦へ輸出しようとする者の住所・氏名のほか、未判定外来生物の学名、入手国、生態特性に関する次に掲げる情報(本来の生息地または生育地の分布状況や、文献その他の根拠を示す資料)を届出書に記載して提出する必要があります(外来生物法施行規則29条)。


  届出がなされた場合には、主務大臣は、その届出に係る未判定外来生物について、在来生物とその性質が異なることによって、生態系、人の生命・身体、農林水産業に被害をおよぼすおそれがあるかどうかを、届出を受理した日から6ヶ月以内に判定し、届出をした者に通知しなければなりません。


  未判定外来生物を輸入しようとする者は、届出をした未判定外来生物について、在来生物とその性質が異なることによって、生態系、人の生命・身体、農林水産業に被害をおよぼすおそれがない旨の通知を主務大臣から受けるまでは、輸入することは認められていません。つまり、主務大臣による判定が終わるまでの一定期間は輸入が制限されているということです。


  主務大臣の判定によって被害をおよぼすおそれがないと判断された場合は特に規制はかからず、輸入することができます。一方で、被害をおよぼすおそれがあると判断された場合は、その未判定外来生物は特定外来生物に指定され、原則として輸入が禁止されます。


  未判定外来生物の判定にあたっては、予防的な観点を踏まえつつ、最新の科学的知見を用いて適正に判定することとしています。判定の考え方は、特定外来生物の選定と同じです。


  被害の判定の考え方は以下の通りです。


①生態系に被害をおよぼすかどうかは、(イ)在来生物の捕食、(ロ)生息地もしくは生育地または餌動植物等に係る在来生物との競合による在来生物の駆逐、(ハ)植生の破壊や変質等を介した生態系基盤の損壊、(ニ)交雑による遺伝的かく乱等により選定します。

②人の生命・身体への被害に関しては、危険の回避や対処の方法についての経験に乏しいため危険性が大きくなることが考えられる外来生物、人に重度の障害をもたらす危険がある毒を有する外来生物または重傷を負わせる可能性のある外来生物が選定されます。感染症に係る被害は含みません。

③農林水産業への被害は、単にわが国の農林水産物に対する食性があるというだけではなく、農林水産物の食害等によりを選定します。家畜の伝染性疾病などに係る被害は含みません。


エレファスゾウカブトは、コガネムシ科で、種類名証明書の添付が必要な生物の一つです。世界最重量級のカブトムシとして知られています。

  また、特定外来生物として選定するかどうかにあたっては、原則として生態系等に係る被害の防止を第一に考え、(イ)外来生物の生態的特性および被害に係る現在の科学的知見の現状、(ロ)適正な執行体制の確保、(ハ)社会的に積極的な役割を果たしている外来生物に係る代替物の入手可能性など、特定外来生物の指定に伴う社会的・経済的影響も考慮し、随時選定していくものとしています(特定外来生物被害防止基本方針第6,1(5)、第2,2~4)。


(輸入の届出)

第21条 未判定外来生物(在来生物とその性質が異なることにより生態系等に係る被害を及ぼすおそれがあるものである疑いのある外来生物として主務省令で定めるもの(生きているものに限る。)をいう。以下同じ。)を輸入しようとする者は、あらかじめ、主務省令で定めるところにより、その未判定外来生物の種類その他の主務省令で定める事項を主務大臣に届け出なければならない。

(判定)

第22条 主務大臣は、前条に規定する届出があったときは、その届出を受理した日から6月以内に、その届出に係る未判定外来生物について在来生物とその性質が異なることにより生態系等に係る被害を及ぼすおそれがあるか否かを判定し、その結果をその届出をした者に通知しなければならない。

(輸入の制限)

第23条 未判定外来生物を輸入しようとする者は、その未判定外来生物について在来生物とその性質が異なることにより生態系等に係る被害を及ぼすおそれがあるものでない旨の前条の通知を受けた後でなければ、その未判定外来生物を輸入してはならない。

参考文献など

●参考文献
大塚直『環境法[第3版]』(有斐閣、2010年)大塚直『環境法BASIC』(有斐閣、2013年)、大塚直『環境法[第3版]』(有斐閣、2010年)、畠山武道『考えながら学ぶ環境法』(三省堂、2013年)、 阿部泰隆・淡路剛久編『環境法[第4版]』(有斐閣、2011年)

日本の外来種対策"外来生物法"(環境省)

(2013年改正以前)
外来生物法"外来生物法について"(環境省)

(2013年改正)
特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の一部を改正する法律案の閣議決定について(お知らせ)
EICピックアップ223号(2013年8月7日)外来生物法の改正(環境省自然環境局野生生物課外来生物対策室)

(愛知目標)
EICピックアップ242号(2015年5月26日)外来種による被害の防止~愛知目標達成に向けて~(環境省外来生物対策室)

(防除、飼育・輸入等)
特定外来生物の防除(環境省)
特定外来生物の飼育・輸入等(環境省)

(外来種について)
外来種について(環境省)
日本の外来種対策"特定外来生物等一覧"(環境省)