環境法令ガイド

環境影響評価法(環境アセスメント法/アセス法)

用語一覧(五十音順)

あ行
横断条項 環境影響評価法33条の規定。
許認可等に係る個別法の審査基準に環境の保全の視点が含められていない場合であっても、環境影響評価の結果に応じて、許認可等を与えないことや条件を付することができるということ。対象事業に関係する個別法の規定にかかわらず、許認可等判断に「横断的に環境影響評価の結果を反映」させることを求める規定。
か行
環境保全措置 対象事業を実施することで選定した評価項目に係る環境要素におよぶおそれのある影響に対する、回避、低減、代償措置。代償措置とは、当該事業の実施により損なわれる環境要素と同種の環境要素を創出すること等により損なわれる環境要素の持つ環境の保全の観点からの価値を代償するための措置を指す(環境影響評価法に基づく基本的事項第5)。この実施状況は報告書に記載する。
基本的事項 環境影響評価を行うにあたって、環境影響評価の質を確保するための事業ごとの標準的な調査項目と調査手法(技術指針等)について、事業種ごとに主務大臣が主務省令を定めるが、それらが適切な内容を定めるように踏まえるべきものとして環境大臣が定める指針。
* 環境影響評価法の規定による主務大臣が定めるべき指針等に関する基本的事項(平成9年環境庁告示第87号)(⇒原文横書き)
公衆参加 環境影響評価手続きの過程で、複数回公衆が意見を表明する機会が与えられている。計画段階配慮書の案又は同配慮書に対して(境影響評価法3条の7)、方法書に対して(環境影響評価法8条)、準備書に対して(環境影響評価法18条)の3回認められている。
さ行
事業アセスメント 事業段階での環境影響評価。環境影響評価法は事業アセスメントしか定めていない。2011年改正で計画配慮書手続きが導入され、従来よりも早い段階でのアセスメントを実施できるようになったが、戦略的環境アセスメントは法制化されていない。
事後調査 評価書手続きを終えた事業着手後、工事中の環境の状態などを把握するために行う調査。評価の選定項目に係る予測の不確実性が大きい場合や、効果に係る知見が不十分な環境保全措置を講ずる場合などに、環境への影響の重大性に応じて事後調査を実施する必要性の有無を判断する(環境影響評価法に基づく基本的事項第5,2(6)(⇒原文))。事後調査の実施が必要とされ、その結果に応じて環境保全措置をとることは、準備書および評価書に記載しておく(環境影響評価法14条1項7号ハ、21条2項1号)。事後調査および環境保全措置の実施状況は報告書に記載する。
準備書 環境保全の見地からの意見を聞くための準備として、実施した環境影響評価(調査・予測・評価)の結果や、環境保全に関する事業者自身の考え方等を示した文書。特に、環境影響評価の結果について、環境保全措置や、事後調査の必要性を記載することが求められる。準備書手続きとして、この準備書を公表し説明会を行い、また、この準備書をもとに、都道府県知事や公衆等から意見を聞く(環境影響評価法14条~20条)。
スクリーニング 第二種事業について、事業の種類や規模のほか、実施される区域の環境状況等を踏まえて、環境影響の程度が著しいものとなるおそれがあり、環境影響評価を実施する必要性があるかどうかを個別に判定する仕組み。第二種事業を実施しようとする者が、当該事業の許認可等を行う者(許認可等権者)に、事業の実施区域や概要を届け出る。許認可等権者は、都道府県知事に意見を聴いた上で、環境影響評価実施の要否を判定する(環境影響評価法4条)。
スコーピング(方法書手続き) 実施する環境影響評価の項目や調査・予測・評価の手法について、事業者が自身の作成した方法書に対して、国、都道府県知事、公衆等から意見を聞き、確定する手続き。方法書の作成から各主体の意見を聞いて環境影響評価の項目および手法の選定にいたるまでの一連の過程を、項目および手法を「絞り込む」という意味で「スコーピング」という。⇒用語解説「方法書」参照
ゼロオプション 複数案として提案する、当該事業を実施しないという案。配慮書における複数案の検討では、現実的である限り、当該事業を実施しない案を含めるように努めるべきとされた(環境影響評価法に基づく基本的事項第1,3(3))。
戦略的環境アセスメント SEA(Strategic Environmental Assessment)といわれる。事業の内容が固まってその事業を実施する段階よりもより早い時期において行う、計画、プログラム、政策に関する環境影響評価。環境影響評価法の下では定められていない。
た行
第一種事業 必ず環境影響評価を行わなければならない事業。道路、河川、鉄道、飛行場、発電所、廃棄物最終処分場、公有水面の埋立ておよび干拓、土地区画整理事業、新住宅市街地開発事業、工業団地造成事業、新都市基盤整備事業、流通業務団地造成事業、宅地造成事業の13種類であって、このうち、許認可や国の補助金など国が関与する事業で、一定規模以上であり、環境影響の程度が著しいものとなるおそれがあるものを指す(環境影響評価法2条2項)。規模が大きく、環境影響の程度が著しいものとなるおそれがある事業かどうかの基準は、環境影響評価法施行令が定める(環境影響評価法施行令1条、2条(e-Gov)別表第一(e-Gov))。
第二種事業 第一種事業に準ずる規模(多くは、第一種事業の規模に係る数値の0.75倍以上の規模のもの)で、環境影響評価を行うかどうかを個別に判断する事業。環境影響評価を実施する必要性の判断について、スクリーニング手続きを行う(環境影響評価法2条3項、環境影響評価法施行令6条・7条(e-Gov)別表第一(e-Gov))。
ティアリング 先行評価の活用。作業の重複を回避するために、前の段階で行った検討結果をその後の環境影響評価で活用すること。配慮書の段階での検討は、後の方法書手続き(スコーピング)や準備書における検討においてどのように引き継いだかを記載する(環境影響評価法施行規則1条の5第1号ハ(e-Gov)4条の3(e-Gov)
は行
配慮書(計画段階配慮書) 第一種事業を実施しようとする者が、事業の位置・規模等の検討段階において、その事業実施が想定される1または2以上の区域において(複数案)、環境保全のために配慮すべき事項についての検討を行い、その検討結果を伝える文書。配慮書手続きとして、この配慮書をもとに、国、都道府県知事、公衆等から意見を聞き、計画策定に反映させる。第二種事業を実施しようとする者は任意で配慮書手続きを実施することができる(環境影響評価法3条の2~3条の10)。
評価書 準備書に対する環境保全の見地からの意見や都道府県知事の意見を踏まえて、事業者が準備書の内容に検討・修正を加えた文書。評価書手続きとして、この評価書に対して環境大臣等の意見を聞き、必要に応じて評価書の再検討および補正を行う。公衆に評価書の公表はなされるが、意見を述べる機会は与えられていない。評価書手続きを経て、環境影響評価の結果について許認可等での審査がなされ、事業者は事業を実施することができる(環境影響評価法21条~27条)。
複数案(代替案) 「環境の保全のための措置(当該措置を講ずることとするに至った検討の状況を含む。」(環境影響評価法14条1項7号 ロ 括弧書き)(e-Gov))、および環境影響評価法の規定による主務大臣が定めるべき指針等に関する基本的事項・第五,二(環境保全措置の検討に当たっての留意事項(5)(⇒原文))参照のこと。
報告書 事業に着工した後、準備書および評価書において求められていた環境保全措置や必要とされていた事後調査に応じて行った環境保全措置の実施状況を伝える文書。報告書手続きとして、事業者はこの報告書に対して環境大臣等の意見を聞き、公表する(環境影響評価法38条の2~38条の5)。
方法書 実施する環境影響評価の方法(評価項目や手法)を決めるにあたり、事業者が方法(案)を示した文書。事業の目的および内容、事業が実施される区域およびその周囲の概況、対象事業に係る環境影響評価の項目や調査・予測・評価の手法などを記載する。方法書手続き(スコーピング)として、この方法書を公表し説明会を行い、また、この方法書をもとに、国、都道府県知事、公衆等からの意見を聞き、環境影響評価の方法を決定する(環境影響評価法5条~10条)。