筑波大学、東京都市大学および群馬県水産試験場の研究チームは、放射性セシウム137(以下「<sup>137</sup>Cs」)濃度を長期予測できる数理モデルを開発した。福島第一原発事故で放出されたセシウムは広範囲におよぶ放射能汚染をもたらし、未だ閉鎖性の湖沼に生息する淡水魚の風評被害などが顕在化している。内陸の湖沼では事故直後に<sup>137</sup>Cs(半減期:30年)の濃度が急激に低下し、低レベル汚染が長期化する。しかし、それが食品基準値以下のレベルで推移するか否か、科学的に裏付けることは困難であった。同研究グループは、現象を概括的・長期的にとらえる上で、詳細なモデル分割・統合や大規模な計算資源を要するコンピュータシミュレーションは不向きであると考え、湖水中の<sup>137</sup>Csは循環や底質との吸着・溶出により妨げられ「ゆっくり拡散」するという仮定に基づく拡散モデル(以下「FDM: Fractional Diffusion Model」)を創出した。群馬県の赤城大沼にFDMを適用した結果、湖水の<sup>137</sup>Cs濃度を精度良く、比較的簡単に再現できることが分かった。また、湖水とワカサギの<sup>137</sup>Cs濃度に関する知見(強い相関関係)に基づき、ワカサギの<sup>137</sup>Cs濃度を原発事故から10,000日(約27年)先まで計算したところ、事故直後〜2,000日後までは実観測結果と一致する傾向が再現された。2,000日以降の放射性セシウム濃度の減少スピードは、一般的な予測モデル(2成分減衰関数モデル)よりも鈍化するものの、100 Bq/kgを大きく下回ったままで緩やかに減少していくことが示唆された。
情報源 |
【オンライン情報源1】 筑波大学 TSUKUBA JOURNAL 【オンライン情報源2】 東京都市大学 プレスリリース |
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配布形式1 |
【交換形式名称】HTML 【版】不明 |
タイトル | 筑波大など、セシウムの長期環境動態を予測できる数理モデルを開発 |
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日付1 |
刊行日: 2021/10/15 |
要約 | 筑波大学、東京都市大学および群馬県水産試験場の研究チームは、放射性セシウム137(以下「<sup>137</sup>Cs」)濃度を長期予測できる数理モデルを開発した。福島第一原発事故で放出されたセシウムは広範囲におよぶ放射能汚染をもたらし、未だ閉鎖性の湖沼に生息する淡水魚の風評被害などが顕在化している。内陸の湖沼では事故直後に<sup>137</sup>Cs(半減期:30年)の濃度が急激に低下し、低レベル汚染が長期化する。しかし、それが食品基準値以下のレベルで推移するか否か、科学的に裏付けることは困難であった。同研究グループは、現象を概括的・長期的にとらえる上で、詳細なモデル分割・統合や大規模な計算資源を要するコンピュータシミュレーションは不向きであると考え、湖水中の<sup>137</sup>Csは循環や底質との吸着・溶出により妨げられ「ゆっくり拡散」するという仮定に基づく拡散モデル(以下「FDM: Fractional Diffusion Model」)を創出した。群馬県の赤城大沼にFDMを適用した結果、湖水の<sup>137</sup>Cs濃度を精度良く、比較的簡単に再現できることが分かった。また、湖水とワカサギの<sup>137</sup>Cs濃度に関する知見(強い相関関係)に基づき、ワカサギの<sup>137</sup>Cs濃度を原発事故から10,000日(約27年)先まで計算したところ、事故直後〜2,000日後までは実観測結果と一致する傾向が再現された。2,000日以降の放射性セシウム濃度の減少スピードは、一般的な予測モデル(2成分減衰関数モデル)よりも鈍化するものの、100 Bq/kgを大きく下回ったままで緩やかに減少していくことが示唆された。 |
目的 | ニュースリリース等の配信 |
状態 | 完成 |
問合せ先(識別情報)1 |
【組織名】筑波大学 【役職名】 【個人名】 【電話番号】 【FAX番号】 【住所】 【E-mail】 【オンライン情報源】筑波大学 【案内時間】 【問合せのための手引き】 【役割】情報資源提供者 |
問合せ先(識別情報)2 |
【組織名】東京都市大学 【役職名】 【個人名】 【電話番号】 【FAX番号】 【住所】 【E-mail】 【オンライン情報源】東京都市大学 【案内時間】 【問合せのための手引き】 【役割】情報資源提供者 |
問合せ先(識別情報)3 |
【組織名】群馬県水産試験場 【役職名】 【個人名】 【電話番号】 【FAX番号】 【住所】 【E-mail】 【オンライン情報源】群馬県水産試験場 【案内時間】 【問合せのための手引き】 【役割】情報資源提供者 |
分野 |
自然環境 水・土壌環境 |
種別 | ニュース・イベント:ニュース:国内ニュース |
場所 | アジア:日本 |
キーワード | 赤城大沼、淡水魚、数理モデル、放射性セシウム、半減期、ワカサギ、福島第一原発事故、風評被害、食品基準値、Fractional Diffusion Model |
言語1 | 日本語 |
文字集合1 | utf8 |
主題分類 | 環境 |
ファイル識別子 | 110541 |
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言語 | 日本語 |
文字集合 | |
親識別子 | |
階層レベル | 非地理データ集合 |
階層レベル名 | 国内ニュース |
日付 | 2021/10/20 |
メタデータ標準の名称 | JMP |
メタデータ標準の版 | 2.0 |
国内ニュース | https://tenbou.nies.go.jp/news/jnews/detail.php?i=32629 |
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