三宅島に定着したニホンイタチの糞から在来種捕食の痕跡を確認

東邦大学理学部・井上教授らの研究グループは、伊豆諸島におけるニホンイタチ(<i>Mustela itatsi</i>)の生息実態を調査し、同種の外来地域となる三宅島では在来地域(伊豆大島)よりも高密度で生息している可能性が高いことを明らかにした。ニホンイタチは日本在来の食肉類であるが、本来の分布域ではない島嶼部に人為的に導入された「国内外来種」として、在来生態系への影響が懸念されている。

本研究では、両島において糞の探索調査を実施し、発見数と植生との関係を統計的に解析した。三宅島では落葉広葉樹林や竹林で糞の発見数が多く、草地では少ない傾向が見られた。一方、伊豆大島では裸地での発見数が少なかった。これらの結果から、両島での生息地利用に違いがあることが示された。また、三宅島の伊豆岬では糞DNAを用いた個体識別と密度推定を行い、1平方キロメートルあたり約20頭が生息していると推定された。

三宅島では、1980年代に農作物被害対策としてニホンイタチが導入されたが、今回の調査では畑周辺での糞の集中は見られず、島全体に分布が拡大していることが示唆された。特に、かつて捕食が報告されていたオカダトカゲやアカコッコなどの在来種が多く生息する環境でイタチの密度が高いことから、生態系への影響が懸念される(掲載誌:PLOS One)。

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