深夜に始まるメダカの繁殖行動-OMU、24時間観察で解明

大阪公立大学大学院理学研究科・近藤特任助教らの研究チームは、自然に近い環境下でメダカの繁殖行動を24時間連続観察し、これまでの常識を覆す新たな知見を得たと発表した。

メダカは、飼育が容易で繁殖頻度が高いため、行動・遺伝・生理研究におけるモデル生物として広く用いられている。従来、メダカの産卵は日の出前後1時間に行われるとされてきたが、これは主に実験室内での観察に基づくものであった。

本研究では、屋外の水槽にオスとメスのペアを1組ずつ配置し、赤外線カメラで31組の行動を24時間連続撮影した。その結果、繁殖行動は午前1時頃から始まり、午前2時から4時にピークを迎えることが明らかとなった。求愛行動も同様に深夜から明け方にかけて活発化しており、実験室での観察では見逃されていた可能性がある。

この成果は、モデル生物の研究において自然環境下での行動観察の重要性を示すものであり、ホルモンや遺伝子発現の研究においても、行動の正確なタイミング把握が不可欠であることを示唆している。今後は、夜間に繁殖行動を行う進化的・生態的背景の解明や、屋外と実験室の行動差の比較が課題となる。

本研究は、日本学術振興会科研費、東京動物園協会野生生物保全基金、笹川科学研究助成の支援を受けて実施され、成果は国際学術誌「Scientific Reports」に掲載された。

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