北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの宮下教授を中心とする研究グループは、ニシンの大規模な集団産卵「群来(くき)」の行動を世界で初めて可視化し、産卵行動に周期的な変化があることを明らかにした。
ニシンは北海道沿岸における重要な水産資源であり、冬から春にかけて藻場で大規模な産卵を行う。これまで群来は突発的に発生し、多数の個体が入り乱れるため、詳細な観察が困難であった。研究グループは、2023年4月に函館市の国際水産・海洋総合研究センター内の大型水槽に911尾のニシンを投入し、うち53尾に行動記録計(ロガー)を装着。人工海藻を設置した環境下で、産卵行動を24時間体制で観察した。
その結果、産卵イベントは夜間に発生し、最初の産卵から30〜40分後に複数個体に行動変化が伝播。さらに、105〜210分の周期で行動が変化することが自己相関分析により確認された。これは、オスの精子に含まれるフェロモンが行動の同調を促し、刺激への慣れが周期的変化を生じさせた可能性を示唆している。
このような同調行動は、受精率の向上や配偶子放出のリスク分散に寄与し、繁殖成功に不可欠な仕組みと考えられる。今後は、配偶子の放出量や個体差の解析を通じて、さらなる生態的理解が期待される。
本研究成果は、2025年4月2日に国際学術誌「Scientific Reports」にオンライン掲載された。
情報源 |
【オンライン情報源1】 北海道大学 プレスリリース(研究発表) |
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配布形式1 |
【交換形式名称】HTML 【版】不明 |
タイトル | 世界初の「群来(くき)」可視化-北大、ロガー装着観察で再現 |
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日付1 |
刊行日: 2025/06/05 |
要約 |
北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの宮下教授を中心とする研究グループは、ニシンの大規模な集団産卵「群来(くき)」の行動を世界で初めて可視化し、産卵行動に周期的な変化があることを明らかにした。<br> ニシンは北海道沿岸における重要な水産資源であり、冬から春にかけて藻場で大規模な産卵を行う。これまで群来は突発的に発生し、多数の個体が入り乱れるため、詳細な観察が困難であった。研究グループは、2023年4月に函館市の国際水産・海洋総合研究センター内の大型水槽に911尾のニシンを投入し、うち53尾に行動記録計(ロガー)を装着。人工海藻を設置した環境下で、産卵行動を24時間体制で観察した。<br> その結果、産卵イベントは夜間に発生し、最初の産卵から30〜40分後に複数個体に行動変化が伝播。さらに、105〜210分の周期で行動が変化することが自己相関分析により確認された。これは、オスの精子に含まれるフェロモンが行動の同調を促し、刺激への慣れが周期的変化を生じさせた可能性を示唆している。<br> このような同調行動は、受精率の向上や配偶子放出のリスク分散に寄与し、繁殖成功に不可欠な仕組みと考えられる。今後は、配偶子の放出量や個体差の解析を通じて、さらなる生態的理解が期待される。<br>本研究成果は、2025年4月2日に国際学術誌「Scientific Reports」にオンライン掲載された。 |
目的 | ニュースリリース等の配信 |
状態 | 完成 |
問合せ先(識別情報)1 |
【組織名】北海道大学 【役職名】 【個人名】 【電話番号】 【FAX番号】 【住所】 【E-mail】 【オンライン情報源】北海道大学 【案内時間】 【問合せのための手引き】 【役割】情報資源提供者 |
分野 | 自然環境 |
種別 | ニュース・イベント:ニュース:国内ニュース |
場所 | アジア:日本 |
キーワード | 繁殖成功戦略、バイオロギング、フェロモン、水産資源管理、集団産卵、群来、行動同調、自己相関分析、北方生物圏、実験水槽 |
言語1 | 日本語 |
文字集合1 | utf8 |
主題分類 | 環境 |
ファイル識別子 | 123561 |
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言語 | 日本語 |
文字集合 | |
親識別子 | |
階層レベル | 非地理データ集合 |
階層レベル名 | 国内ニュース |
日付 | 2025/06/06 |
メタデータ標準の名称 | JMP |
メタデータ標準の版 | 2.0 |
国内ニュース | https://tenbou.nies.go.jp/news/jnews/detail.php?i=37861 |
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