千葉大学大学院理学研究院・泉教授らの研究グループは、鉄–酸化ジルコニウム(Fe–ZrO₂)光触媒に照射する光の強度を制御することで、二酸化炭素(CO₂)から一酸化炭素(CO)、メタン(CH₄)、エタン(C₂H₆)、プロパン(C₃H₈)を順に選択的に生成する技術を開発した。
CO₂の光還元は、太陽光などの再生可能エネルギーを利用して温室効果ガスを燃料や高付加価値物質に変換する手法として注目されている。従来、光触媒によるCO₂還元では、生成物の選択性が低く、特にC₂以上の炭化水素の生成は困難であった。加えて、生成物の市場価格には大きな差があり、COやCH₄が1kgあたり10〜30円程度であるのに対し、C₂・C₃炭化水素は100〜1,000円以上と高価であるため、生成物を自在に制御できる技術の確立が求められていた。
本研究では、安価な鉄ナノ粒子と酸化ジルコニウムを組み合わせた光触媒を用い、紫外可視光の照射強度を110〜472 mW/cm²の範囲で段階的に変化させることで、COからCH₄、C₂H₆、C₃H₈へと生成物を切り替えることに成功した。特に高強度照射下では、触媒表面の被覆状態が変化し、長時間にわたって高活性を維持しながらC₂・C₃炭化水素を生成できることが確認された。
この成果は、光の強度という単一パラメータで生成物を制御できるという点で、光触媒技術の実用化に向けた大きな前進といえる。今後は、COと水素からのエチレンやプロピレンの生成、さらにはCO₂と水からの直接的なC₂〜C₃炭化水素合成の実現に向けた研究が進められる予定である。
情報源 |
【オンライン情報源1】 千葉大学 ニュースリリース |
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配布形式1 |
【交換形式名称】HTML 【版】不明 |
タイトル | 千葉大、光の強さを変えてCO2を多段階変換する触媒技術を開発 |
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日付1 |
刊行日: 2025/06/05 |
要約 |
千葉大学大学院理学研究院・泉教授らの研究グループは、鉄–酸化ジルコニウム(Fe–ZrO₂)光触媒に照射する光の強度を制御することで、二酸化炭素(CO₂)から一酸化炭素(CO)、メタン(CH₄)、エタン(C₂H₆)、プロパン(C₃H₈)を順に選択的に生成する技術を開発した。<br> CO₂の光還元は、太陽光などの再生可能エネルギーを利用して温室効果ガスを燃料や高付加価値物質に変換する手法として注目されている。従来、光触媒によるCO₂還元では、生成物の選択性が低く、特にC₂以上の炭化水素の生成は困難であった。加えて、生成物の市場価格には大きな差があり、COやCH₄が1kgあたり10〜30円程度であるのに対し、C₂・C₃炭化水素は100〜1,000円以上と高価であるため、生成物を自在に制御できる技術の確立が求められていた。<br> 本研究では、安価な鉄ナノ粒子と酸化ジルコニウムを組み合わせた光触媒を用い、紫外可視光の照射強度を110〜472 mW/cm²の範囲で段階的に変化させることで、COからCH₄、C₂H₆、C₃H₈へと生成物を切り替えることに成功した。特に高強度照射下では、触媒表面の被覆状態が変化し、長時間にわたって高活性を維持しながらC₂・C₃炭化水素を生成できることが確認された。<br> この成果は、光の強度という単一パラメータで生成物を制御できるという点で、光触媒技術の実用化に向けた大きな前進といえる。今後は、COと水素からのエチレンやプロピレンの生成、さらにはCO₂と水からの直接的なC₂〜C₃炭化水素合成の実現に向けた研究が進められる予定である。 |
目的 | ニュースリリース等の配信 |
状態 | 完成 |
問合せ先(識別情報)1 |
【組織名】千葉大学 【役職名】 【個人名】 【電話番号】 【FAX番号】 【住所】 【E-mail】 【オンライン情報源】千葉大学 【案内時間】 【問合せのための手引き】 【役割】情報資源提供者 |
分野 | 環境総合 |
種別 | ニュース・イベント:ニュース:国内ニュース |
場所 | アジア:日本 |
キーワード | 化学変換技術、光触媒、グリーンケミストリー、カーボンニュートラル、持続可能エネルギー、二酸化炭素還元、炭化水素合成、紫外可視光、電荷分離、遷移金属触媒 |
言語1 | 日本語 |
文字集合1 | utf8 |
主題分類 | 環境 |
ファイル識別子 | 123564 |
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言語 | 日本語 |
文字集合 | |
親識別子 | |
階層レベル | 非地理データ集合 |
階層レベル名 | 国内ニュース |
日付 | 2025/06/06 |
メタデータ標準の名称 | JMP |
メタデータ標準の版 | 2.0 |
国内ニュース | https://tenbou.nies.go.jp/news/jnews/detail.php?i=37864 |
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