令和6年度水産白書にみる気候変動と漁業の現在地

水産庁は「令和6年度水産白書(閣議決定)」を公表した。本白書は水産基本法に基づき、政府が毎年国会に報告する年次報告書であり、今回は「海洋環境の変化による水産業への影響と対応」を特集テーマに据えている。

近年、我が国近海では平均海面水温の上昇、海洋熱波の顕在化、黒潮大蛇行、さらには海洋酸性化の進行など、海洋環境の急激な変化が観測されている。これにより、サンマ、スルメイカ、サケといった主要魚種の不漁が長期化しており、水産業への影響が深刻化している。白書では、こうした環境変化に対する各地の先行事例や適応策を紹介し、科学的知見と政策的対応の両面から現状を分析している。

特集以外にも、令和6年能登半島地震からの復旧に向けた動き、漁業法および水産流通適正化法の一部改正、赤潮被害の継続といったトピックスを取り上げている。さらに、国内の水産物需給や流通、漁業・養殖業の経営状況、国際的な資源管理の動向、漁村の活性化、ALPS処理水の海洋放出に関する対応など、幅広い分野を網羅している。

特に海洋環境保全の観点からは、海洋酸性化や熱波の影響を受ける漁場環境の変化に対し、資源管理の実効性を高める施策や、科学的モニタリング体制の強化が重要視されている。政府は、持続可能な水産業の実現に向け、環境変化への適応力を高める政策の推進を図っている。

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