阪公大ら、余剰再エネ活用・即冷房型・地下水蓄熱システムを開発

大阪公立大学は、三菱重工サーマルシステムズ、竹中工務店、関西電力らと共同開発した「余剰再生可能エネルギー(再エネ)電力吸収システム」の実証運転を開始した。このシステムは、環境省の「地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」において開発された。地下水を活用した蓄熱システムに、世界初となる多重蓄熱機能および短周期蓄熱・放熱機能を付加したものとなる。

再エネは持続可能な発電手段として注目されているが、発電量の変動性や季節的な電力需要の偏りにより、余剰電力の発生が課題となっている。一方、従来の帯水層蓄熱技術は、季節間の冷暖房エネルギーを蓄える用途が中心であったが、今回の新システムでは、余剰再エネ電力のリアルタイム吸収と冷房への直接利用という新しい運用形態を実現している。――この技術的進展により、蓄電池や水素と比較して低コストかつ環境負荷の少ない形で、電力の需給調整と余剰電力の有効活用が可能となる。特に、短周期での蓄熱・放熱を可能にした点は、これまでの帯水層蓄熱の枠組みを超える革新といえる。

実証試験は大阪市の障がい者スポーツセンター「アミティ舞洲」にて実施されており、2025年4月から6月にかけて余剰再エネ電力を活用して地下水を5℃まで冷却・貯留し、7月1日より冷房運転を開始した。約140kWで270時間の吸収運転を行い、10,000m³の冷却地下水を蓄えた。今後は、冷房運転を通じてシステムの効率性と実用性を検証する計画となっている。評価指標としては、蓄電池と見做した場合の「見做し充放電効率」が用いられ、目標値は70%に設定している。

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