産業技術総合研究所(産総研)と名古屋大学宇宙地球環境研究所は、水銀を使用しない新たな水試料殺菌手法を共同開発した。本手法は、環境負荷の少ない塩化ベンザルコニウムによる殺菌処理と、微生物の芽胞を物理的に除去するろ過処理を組み合わせることで、従来の水銀殺菌法の弱点を克服するものである。
溶存無機炭素(DIC)は、海洋に吸収された二酸化炭素の形態の一つであり、地球環境の変化を把握するための重要な指標である。DICの濃度や炭素同位体(特に放射性炭素:^14C)の分析には、微生物活動による成分変化を防ぐ殺菌処理が不可欠であり、国際的には水銀が用いられてきた。しかし、水銀は高い殺菌力を持つ一方で、生物毒性と環境負荷が極めて高く、水俣条約の発効以降、使用制限が進んでいる。
今回の研究では、海水・地下水試料に対して4種類の処理(無処理、塩化ベンザルコニウムのみ、ろ過のみ、ろ過+塩化ベンザルコニウム)を施し、長期保管中のDICの^14C濃度変化をモニタリングした。その結果、ろ過と塩化ベンザルコニウムを組み合わせた処理において、微生物活動によるDICの変化がほぼ検出されず、殺菌効果が持続することが確認された。
この成果は、将来的な水銀使用制限を見据えた国際的な水試料処理手法の改訂に貢献する可能性がある(掲載誌:Ocean Science)。
| 情報源 |
【オンライン情報源1】 産総研 ニュース(研究成果) 【オンライン情報源2】 名古屋大学 研究成果発信サイト |
|---|---|
| 配布形式1 |
【交換形式名称】HTML 【版】不明 |
| タイトル | 産総研・名大、水銀フリー殺菌技術でDIC分析精度向上 |
|---|---|
| 日付1 |
刊行日: 2025/07/24 |
| 要約 |
産業技術総合研究所(産総研)と名古屋大学宇宙地球環境研究所は、水銀を使用しない新たな水試料殺菌手法を共同開発した。本手法は、環境負荷の少ない塩化ベンザルコニウムによる殺菌処理と、微生物の芽胞を物理的に除去するろ過処理を組み合わせることで、従来の水銀殺菌法の弱点を克服するものである。<br> 溶存無機炭素(DIC)は、海洋に吸収された二酸化炭素の形態の一つであり、地球環境の変化を把握するための重要な指標である。DICの濃度や炭素同位体(特に放射性炭素:^14C)の分析には、微生物活動による成分変化を防ぐ殺菌処理が不可欠であり、国際的には水銀が用いられてきた。しかし、水銀は高い殺菌力を持つ一方で、生物毒性と環境負荷が極めて高く、水俣条約の発効以降、使用制限が進んでいる。<br> 今回の研究では、海水・地下水試料に対して4種類の処理(無処理、塩化ベンザルコニウムのみ、ろ過のみ、ろ過+塩化ベンザルコニウム)を施し、長期保管中のDICの^14C濃度変化をモニタリングした。その結果、ろ過と塩化ベンザルコニウムを組み合わせた処理において、微生物活動によるDICの変化がほぼ検出されず、殺菌効果が持続することが確認された。<br> この成果は、将来的な水銀使用制限を見据えた国際的な水試料処理手法の改訂に貢献する可能性がある(掲載誌:Ocean Science)。 |
| 目的 | ニュースリリース等の配信 |
| 状態 | 完成 |
| 問合せ先(識別情報)1 |
【組織名】産業技術総合研究所(産総研) 【役職名】 【個人名】 【電話番号】 【FAX番号】 【住所】 【E-mail】 【オンライン情報源】産業技術総合研究所(産総研) 【案内時間】 【問合せのための手引き】 【役割】情報資源提供者 |
| 問合せ先(識別情報)2 |
【組織名】名古屋大学 【役職名】 【個人名】 【電話番号】 【FAX番号】 【住所】 【E-mail】 【オンライン情報源】名古屋大学 【案内時間】 【問合せのための手引き】 【役割】情報資源提供者 |
| 分野 |
地球環境 健康・化学物質 水・土壌環境 |
| 種別 | ニュース・イベント:ニュース:国内ニュース |
| 場所 | アジア:日本 |
| キーワード | 国際共通手法、炭素同位体、水俣条約、放射性炭素、溶存無機炭素、水試料殺菌、塩化ベンザルコニウム、ろ過処理、水銀代替、地球環境観測 |
| 言語1 | 日本語 |
| 文字集合1 | utf8 |
| 主題分類 | 環境 |
| ファイル識別子 | 124112 |
|---|---|
| 言語 | 日本語 |
| 文字集合 | |
| 親識別子 | |
| 階層レベル | 非地理データ集合 |
| 階層レベル名 | 国内ニュース |
| 日付 | 2025/07/29 |
| メタデータ標準の名称 | JMP |
| メタデータ標準の版 | 2.0 |
| 国内ニュース | https://tenbou.nies.go.jp/news/jnews/detail.php?i=38079 |
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